企業のWebサイトリニューアルプロジェクトにはたくさんの地雷が埋まっている??(1/3)
リニューアル地雷原のど真ん中?
企業のWebサイトをリニューアルするプロジェクトに取り掛かるWeb担当者は、期待と不安が入り混じった感覚をお持ちかと思います。
素晴らしいデザインにしたい。使いやすくてユーザーが迷わないようにしたい。営業的にもきちんと役立つサイトにしたい。いろいろな期待が寄せられていることでしょう。
しかし、あえてネガティブなことを言わせていただくと、そこは実は地雷原(じらいげん)のど真ん中なのです。名付けて「リニューアル地雷原」です。
リニューアルプロジェクトは、なぜ地雷原なのか?
企業のWebサイトをリニューアルする時に、プロジェクトに関わるメンバーが進め方を間違えると、地雷を踏んで致命傷を負う可能性があります。
具体的には、
- プロジェクトが動き出した段階で予算と実施内容・スケジュールの折り合いがつかなくなる
- 社内の合意形成に果てしなく時間がかかる
- 制作会社は言ったことしかやってくれない
- デザインはなんとかなったけど、ユーザーにとって必要なコンテンツが無い
- リニューアルしたけど効果がまったく感じられない
- 情報システムと営業の対立がおさまらずCRMの導入が進まない
- 広報と人事の仲が悪くなって廊下で目も合わせない
- 費用をかけたのにプロジェクトが中止になる
- プロジェクトに失敗した。というレッテルが貼られる。
など、さまざまな形で被害をおよぼします。
例えば、ユーザーからのお問い合わせを受け付けるためのコンタクトフォームを作ろうとした時に、セキュリティを確保するためにサーバーの要件を具体的に検討するとします。
その結果、予定していたサーバーでは要件を満たさないことが判明して、サーバーを変更しなければならなくなることが起こり得ます。関連して、そのほかのプログラム(検索機能や動的生成のリンクなど)の環境移植が必要になり、スケジュールも費用も予定通りに収まらなくなる…といったことはよくあるケースです。
システムだけ気をつければいいかというとそうでもなく、コンテンツにもいろんな形の地雷があります。
例えば、表記揺れやリンクラベルとリンク先の不一致、二つのカテゴリにまたがって分類されるべきページが一つの経路でしかたどりつけない、あるいは純粋に陸の孤島となっている”たどり着けないページ”がある等、機械的に検出できない(人が見ないと間違いが気づけない)ような問題がたくさん埋まっていることがあります。
だからこそリニューアルするわけなのですが、リニューアルに取り掛かろうとしている時、全ての問題(地雷)を把握できているということはまずあり得ません。そして、進め方を間違えると、自分たちの手でまた新たな地雷を埋め込むことにもなりかねないので、慎重に取り組む必要があります。
そんな「リニューアル地雷原」は、いっそのことまるごと捨てて新しい平野を手に入れればいいじゃないか?と思うかもしれませんが、それはできない相談です。
いまの地雷原を捨てたところで、お金をかけて新たな地雷原を手に入れることしかできません。なぜなら、自らの手で地雷を埋め込んでいるからなのです。