Webサイトリニューアルの目的を明確にするために~ユーザーをカテゴリに分けて考えるの巻(前編)~(1/2)
「目的を明確にする」という高い壁
コーポレートサイトの役割の見直しや改善・リニューアルを考える際に、よく
- 「目的を明確にしよう」
という名の壁に当たることがあります。
簡単に聞こえるのですが、いざ取り組んでみるとなかなか厄介なテーマで、進め方を間違えると議論が紛糾した末に「リニューアルの目的は、リニューアルすることだ」という笑えない結論になることがあります。
また、Webサイトリニューアルの目的について検索すると、
- 一つに絞るべき
- 目的ごとにサイトを作ってもいい
- 集客こそが最大の目的
- 問い合わせ獲得が最大の目的
- …
など、調べれば調べるほど、分かりにくくなってきます。
Webサイトをビジネスに使う以上、事業上の施策なので、目的は究極的には売上に貢献するか、コスト削減に貢献するかどちらかに帰結します。
ただし、どちらの目的に対しても、Webサイトは何かのコミュニケーションの役割を果たすポジションにあるわけですから、結論ありきで考えるよりもまずはコミュニケーションの相手から整理していくことをおすすめします。
結局のところコーポレートサイトは、そのほかのジャンルのサイト(ECサイトや、プロモーションサイト、キャンペーンサイト、メディアサイト、ポータルサイトなど)に比べて、目的が絞りにくい性格があります。
そこは、無理に絞り込もうとせずに優先度や重要度を分類してあげることが大切です。
まず今回は、一般的なBtoB企業のケースを想定して、代表的な7つのユーザーのカテゴリに分類します。
そして、それぞれのカテゴリごとに、それぞれのコンテンツや機能によって実現できるコミュニケーションの例をご紹介します。
(長くなりそうなので、前編・後編に分割します)
「リニューアルの目的」は悩ましい問題です。
さまざまな切り口から解説しているこちらの記事もご参照ください。
ユーザーの分類
分類の軸は、いわゆる企業のステークホルダーの分類と同じです。
上場企業でなければ、形式要件としての投資家向け情報は必要ないかもしれませんが、未上場の企業でも出資を募りたい場合は想定しておいたほうがよいでしょう。
1.顧客・潜在顧客
2.メディア、プレス、報道関係者
3.取引先、仕入先、卸し先
4.投資家
5.就職希望者
6.社員とその関係者
7.地域社会や行政
かつては、紙の会社案内を制作するときに、コーポレートコミュニケーションの類型として、「パブリックリレーション(PR)」「インベスターリレーション(IR)」「エンプロイーリレーション(ER)」というグルーピングをすることがありました。
Webサイトにおいては、広報・PRの役割と広告宣伝・販促、そして採用活動の役割が統合されていることがあるので、CSRやリクルートも合わせて上記の7つの分類になります。
この分類に沿って考えると、抜けているとこや強化すべきところなどが見えてきて、優先順位もつけやすくなります。