リニューアルは膨大なタスクの積み重ね!プロジェクト管理ツールを使いこなす3つのポイント
Webサイトリニューアルは、膨大な確認事項と、対処するタスクの積み重ねです。
複数の関係者がさまざまなタスクに関わっているので、それぞれに合意を得ていくのもとても大変です。
加えて、一般的に企業のWeb担当者は通常の業務とリニューアルプロジェクトを兼務することがほとんどなので、より効率的なプロジェクトマネジメントが求められます。
そんな時に役に立つ「プロジェクト管理ツール」ですが、うまく活用するにはコツとアイデアが必要です。
リニューアルプロジェクトで登場する膨大なタスクたち
リニューアルプロジェクトでは種類、特性が異なる膨大な量の「やるべきこと=タスク」が登場します。
大掛かりなプロジェクトとなるとタスクの数が3,000を超える(!)こともあり、またタスクの種類も予算やリソースの確保からクオリティチェックまで多岐にわたります。
しかもこうしたタスクが複数同時進行していてバラバラにステータスは変化しつつ、それぞれのタスク同士は因果関係を持っている…といった具合でプロジェクトが進めば進むほど複雑さを極めていきます。
そして、タスクの重要度も忘れるわけにはいきません。
複雑に絡み合ったタスクを最適に管理するための「プロジェクト管理ツール」
複雑に絡み合った大小さまざまのタスクを、人間の記憶やメールだけで管理していくには限界があるので「プロジェクト管理ツール」を導入するという選択があります。
ツールによっては多少システム開発っぽい雰囲気(?)はあるものの、きちんと使えば膨大なタスクや情報を整理の労力が大幅に削減します。
弊社ではヌーラボ社の「Backlog」やBrabio社の「Brabio!」を導入しており、それぞれの特徴に合わせた使い方をしています。
- Backlog:http://www.backlog.jp/
- Brabio!: http://brabio.jp/
ポイント1:コミュニケーションやルールの管理する使い方の工夫
プロジェクトを進める中で一番大事といっても過言ではないのが「コミュニケーションやルールの管理」です。
用語や会議体、決定プロセスや変更手順など、プロジェクトメンバーが正しく認識していないと問題が起きます。
むしろ、ほとんどの問題がこのコミュニケーションレベルで起きているといってもいいかもしれません。
弊社でプロジェクト管理ツールを使う際に、よく用いるルールの一例をご紹介します。
- 議事録や用語集、運用ガイドラインなどの文書はwikiで管理する
- 課題へのコメントはその種類(質問、確認・承認依頼、情報共有、etc)と対象となる相手、期日がある場合は期日を必ず明記する
- 課題のテーマは原則一つとする(これがとても重要!)
試しに導入してみる場合など「とりあえず使ってみる」的な使い方をすることもありますが、特に外部の協力会社と共有する場合は統一的なコミュニケーション・ルールでの運用が不可欠です。
ポイント2:プロジェクト管理ツールだけでは完結しないという認識
便利なプロジェクト管理ツールですが、ツール内で全てを完結させることはできません。
管理ツールでは「できないこと」を把握して、それに適した手段を選択するのもプロジェクトマネジメントを円滑に進めるためのコツでもあります。
例えばプロジェクトの規模にもよりますが、タスクの量がそれこそ1,000を超えてくるとさすがに課題管理だけでは限界があります。
プロジェクト全体のスケジュールに大幅に変更が発生した場合などはMSプロジェクトに代表される専用ツールに一日の長がありますし、全体を俯瞰して見たいのであればExcelやパワーポイントなどで作成した資料にはかないません。
そして個々のタスク間の因果関係を整理する際にはPert図の方がはるかに便利です。
※Pert図についてはこちらの記事もご参照ください。
加えて(特に最初のうちは)プロジェクト管理ツールにログインするという習慣も身につかず、メールに頼ってしまいがちというメンバーもいます。
プロジェクト管理ツールから配信されたメールが迷惑メールフォルダに自動振り分けされている、といった笑えない話もあります。
ですのでコミュニケーションはツールだけに頼らず、特に重要な告知や報告についてはメール・電話も併用する必要があります。
ポイント3:プロジェクト管理ツールを「カオス化」させないために
ポイント1でも取り上げましたが、コミュニケーションやルールが適切に定められていないといつ間にか課題の山となってしまい(ミイラ取りがミイラになるではないですが)プロジェクト管理ツールがカオス化してしまうことも実はよくあることです。
こうした事態を避けるためにも運用ルールを定めることは必須でもあります。
もう一点、カオス化を招く要因があるとすると「課題管理(特にコメント)内で議論を重ねてしまう」ことでしょうか。
便利なコメント機能も50件、100件…となると経緯を確かめるのも手間がかかりますし、議論が本題から逸れてしまっていることがほとんどです。
議論が必要と判断したら会議など別の機会を設け、コメントでは決定事項の承認や連絡事項・情報共有に留めておいた方が課題の進行は円滑に進みます。
リニューアルプロジェクト自体は終わってもWebサイトは続く
ここまで、おもにリニューアルのプロジェクトを管理していくためのポイントを説明しましたが、とても大事なことを最後に。
「リニューアルが完了したら、Webサイトの運用はそこからがスタート」
当たり前のことを勿体付けて書いてしまいましたが、だからこそプロジェクト管理ツールが役に立ちます。
リニューアルプロジェクトには各部からプロジェクトメンバーが集まり、運用が始まると所管部門に一任されるというケースはよくあります。
また、数年の間に担当者の異動・新人の加入・上司が変わる・部署の再編など、組織につきものの不可抗力が働くこともあります。
プロジェクト管理ツールの中に蓄積された情報は、Webサイトの管理と一体となって残っていれば、引き継ぐことも可能です。
リニューアルプロジェクトの間に検討されたことや、議論されたこと、あるいは決定された経緯などは一つ一つが組織の資産として活用できるかどうかが、Webサイトの価値に大きな影響を与えるのです。