Webデザインと「ケチャップ問題」(1/4)
Webデザインにおける難題
Webサイトのコンテンツをどうやって分類して並べ、メニューやナビゲーションを設定していくかを考える(いわゆる情報設計)時に、悩ましい問題があります。ここではそれを名付けて「ケチャップ問題」とします。
「ケチャップ問題」の背景
とあるスーパーで、ケチャップをどこに陳列するかを考えてみましょう。お米や肉、魚といった大分類がある時に、ケチャップはどこに配置するべきか、という問題です。具体的に、陳列棚が次のように分かれているとしましょう。(実在のスーパーの棚構成を参考にしました)
野菜 | 乳製品 | 日配品 | 砂糖・塩 | 味噌・醤油 |
魚 | 肉 | 米 | 乾物・缶詰 | パン・ピザ |
さて、ケチャップをどこに置いたらいいでしょうか?
調味料として考えた時に、「味噌・醤油」棚に配置すべきか、調味の必需品と考えて「砂糖・塩」の棚に置くべきか。あるいはパスタとの相性を考えると、この分類なら「乾物・缶詰」棚が良さそうです。チーズとの相性を考えると、「乳製品」棚も捨てがたいところです。
一方で、どれも座りが悪いのも確かです。ここは一つ「イタリアン」というコーナーを作って、そこに置いてはどうでしょうか?あるいは「ソース類」を独立させて、そこに置くという手もありそうです。
仮に「イタリアン」と「ソース類」を新設したとして、買い物に来たお客様にとって、ケチャップは「ソース類」と「イタリアン」のどちらに棚に置いてあると考えるかはそれぞれでしょう。
お客様がハンバーグソースにケチャップを入れようと思って探していれば「ソース類」にありそうと思うでしょうし、パスタの味付けに使おうとしていたら「イタリアン」の棚にあることを期待するでしょう。
これを「行動文脈」といいます。
商品の分類を排他的にツリー状に管理しようとしたら、ケチャップは「ソース」か「イタリアン」のどちらかにしか置けないことになります。