2018年12月20日カテゴリ:Webデザイン

Webデザインと「ケチャップ問題」(2/4)

Webデザインと「ケチャップ問題」

ケチャップとは何か?

頑固な店長が、

「ウチの店では『ケチャップはソースの一種』!」

と決めてしまったら、そのお店の店員さんは、一日に何回かスパゲッティを手にしたお客様にケチャップの在りかを尋ねられてしまいます。

一方で、この道30年のベテランが

「ケチャップは『イタリアン』に置くべき」

と決めたお店では、合挽き肉を手にしたお客さんがケチャップのありかを尋ねてくることでしょう。お客様は文脈を伴って行動しますが、どこか一箇所にしか置けないとすると、お客様の行動文脈ごとに異なる、「あるはずの場所」に見つからないということが発生します。これを防ぐには、可能な限り多くの棚にケチャップを陳列すべきでしょう。それでも、「肉棚」や「魚棚」に陳列するのはやりすぎかもしれません。

仮に「ソース類」と「イタリアン」の両方に置くとすると、「ケチャップ」は「ソース類」と「イタリアン」という二つの属性を持つことになります。

そして、構造的にその上位に位置する概念として「調味料」という属性を持ち、それは肉魚野菜などの「生鮮食品」やビール酒ジュースなどの「飲料品」とは排他的な属性になります。ケチャップを「肉棚」に置きづらい違和感は、まさにこの排他性にあります。

調味料とか生鮮食品の分類は概念的な大分類であり、イタリアンやソース類は具体的な中分類のような役割になります。

これらの分類をルール化することを【タクソノミーの設計】と呼んでいます。

タクソノミーってなんですか?

ブログ用CMSのWordPressの機能として「タクソノミー」という言葉が出てくるので、最近は企業のWeb担当者も知っている方は多いのですが、ときどき「タクソノミー?って、そもそもなんですか??」という質問をいただくことがあります。

タクソノミーは、簡単に言えば「分類法」のことです。
例えば、図書館の書籍分類基準として有名な日本図書分類の十進分類法とか、生物の分類の( 界<門<綱<目<科<属<種)などが有名なタクソノミーのひとつです。

動物の場合はすべての階層を表現せずに、例えば「カピバラ
カピバラ
は、

ネズミ目テンジクネズミ科カピバラ属に分類される齧歯類

みたいな言い方をされることが多いと思いますが、Wikipediaによると詳しい分類は以下のようになります。

界  : 動物界 Animalia
門  : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱  : 哺乳綱 Mammalia
目  : ネズミ目 Rodentia
亜目 : ヤマアラシ亜目 Hystricomorpha
下目 : ヤマアラシ顎下目 Hystricognathi
科  : テンジクネズミ科 Caviidae
亜科 : カピバラ亜科 Hydrochoerinae
属  : カピバラ属 Hydrochoerus
種  : カピバラ H. hydrochoerus

こういう分類はツリー状で、隣りの枝とは排他的なので分類法としてイメージしやすいと思います。

冒頭の「ケチャップ」の例で言えば、【排他的にする】とは、「調味料」の大分類の中で、「ソース類」「しょうゆ・みそ」「サラダ油・マヨネーズ」「のり・削り節・ごま」「イタリアン」「中華調味料」「有機調味料」「調味料そのほか」のどれか択一で格納することです。

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