2019年02月20日カテゴリ:Webサイト運用

Web施策の検討にも役立つ戦略フレームワーク〜アンゾフに学ぶWeb活用のヒント

Web施策の検討にも役立つ戦略フレームワーク〜アンゾフに学ぶWeb活用のヒント
Igor Ansoff, 1971 by Mieremet, Rob / Anefo - Trimmed and retouched from Igor Ansoff, 1971.jpg is Licensed under CC BY-NC-SA 4.0. Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0 International License

事業戦略に自社のWebサイトを活用しようと思ったとき、具体的にどんなコンテンツを用意すれば狙った母集団を形成できるのか、頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。

ユーザーにとって的はずれなコンテンツを用意しても、継続的には利用してもらえず母集団の形成ができません。施策を用意する側にとっても期待はずれな結果となってしまうばかりです。

 
では、どうすれば狙った母集団を形成できるのか?
 

それは、自社のサービスや製品のユーザーをどうやって分類すればよいかがわかれば、自ずと採るべき施策が見えてくるものです。そんなときこそ代表的なフレームワークを元にユーザーを分類してみるのも手かもしれません。

ここでは、具体的な施策を設計する指針として「アンゾフのマトリックス」が使えることを示してみたいと思います。

「アンゾフのマトリックス」とは?

事業の成長戦略や経営戦略を考えるフレームワークとして、「アンゾフのマトリックス」はシンプルかつ強力です。具体的には、次のような表であらわされます(日本語は参考訳です)。

  既存市場
PRESENT MARKETS
新規市場
NEW MARKETS
既存製品
PRESENT PRODUCT LINE
市場浸透
MARKET PENETRATION
新市場開拓
MARKET DEVELOPMENT
新製品
NEW PRODUCT LINE
新製品開発
PRODUCT DEVELOPMENT
多角化
DIVERSIFICATION

(参考 : Strategies for Diversification. H. I. Ansoff – Harvard business review, 1957

製品は新旧2種類しかありませんし、マーケットも新旧2種類しかありません。したがって、上の表は常に必ず成り立つ、と考えて良いでしょう。

アンゾフは「経営戦略の父」と呼ばれるだけあって、解説書やWebサイトがたくさんあります。「アンゾフのマトリックス」を詳しく知りたいという方はそちらをご参照いただければ幸いです。

顧客セグメントに対するWeb施策の具体例

本記事では「アンゾフのマトリックス」を以下のように解釈し直してみました。

  既存顧客 新規顧客
既存サービス・製品 第1象限 第2象限
新規サービス・製品 第3象限 第4象限

元の表の「MARKETS」を「既存/新規顧客」に、「PRODUCT LINE」を「既存/新規サービス・製品」に置き換えてみました。すべての顧客またはサービス・製品は、この表の第1〜第4象限いずれかに必ず分類されますので、自社のケースに照らし合わせながら読み進めてください。

  • 第1象限(既存顧客☓既存サービス・製品)

    ここはいわゆる「アップセル」。
    より多く、より高付加価値のサービス・製品を買っていただくための施策が必要です。

    既存顧客ということで、直接連絡できるというメリットを最大限に活かしていきたいところです。期間限定のキャンペーンや追加購入・リピート購入に対するインセンティブなどが典型的な施策となります。

    また、過去に利用したときとは違う「用途」や「課題解決」について御案内することで、新たなビジネスチャンスにつながるかもしれません。具体的には、

    • 期間限定の割引キャンペーン
    • 追加購入キャンペーン
    • 用途提案のソリューションコンテンツ
    • 展示会出展の御案内

    など、これらのランディングページ(LP)となるWebコンテンツを作成し、ハウスリストに対するメルマガや、ご案内メールによって既存顧客から有効リードを選別できます。

  • 第2象限(新規顧客☓既存サービス・製品)

    ここはまだ接点の無いユーザーへのリーチと、リードジェネレーションが重要な対象です。
    認知の獲得という意味では、Web広告が有効です。定常的な流入を確保するにはキーワードや純広告が、ユーザーグループ捕捉のための仮説検証にはメルマガ広告が便利です。

    Webコンテンツとしては、事例コンテンツによる訴求が効果的です。特に専門性の高い製品や、形のないサービスの場合(ITソリューションなど)は具体的なイメージを持っていただくこともできるので、広告のLPとしても活用できます。
    流入してきたトラフィックをリードに転換するためには、ダウンロード資料(ホワイトペーパーやお役立ち資料、調査報告など)を用意しておくと良いでしょう。

    事例コンテンツはその具体性ゆえにニッチでピンポイントなキーワードを含んでいることも多く、上手くいくと自然検索からの流入が継続的に確保できるようになります。
    また、展示会などオフラインの場で獲得したリードに対しても、フォロー&リード育成する施策も効きめがあります。

  • 第3象限(既存顧客☓新規サービス・製品)

    ここは「クロスセル」の対象となります。
    営業が直接コンタクトできるHOTな関係ではない場合もあるので、DMやセグメントメールによって、リアクションを取る施策が有効です。対象の顧客をグループ分けして、

    • Aのサービス・製品群を購入/導入しているグループには、Bのサービス・製品群への誘導(とその逆も)
    • Cのサービス・製品群を購入/導入しているグループには、AもしくはBのサービス・製品群への誘導

    といった形で何種類かにセグメントして、反応を見ながら調整をしていくと良いでしょう。その際にも、ソリューションコンテンツや事例コンテンツが興味を寄せてもらうきっかけに役立ちます。

    たとえば、第1象限の「きっかけづくり」のアプローチや、ハウスメルマガの中に、このクロスセルを混ぜ込むこともできます。

  • 第4象限(新規顧客☓新規サービス・製品)

    いわゆる「ド新規」です。
    王道は、PR施策によって話題と認知の拡大につとめるところから。その際もWebで計測できるようにしておくことが重要です。
    あるいは、ブランディングの強化というアプローチもあります。

    • ブランドエッセンスムービー
    • 周年記念コンテンツ
    • 技術情報、研究開発の取り組み
    • CSR系のコンテンツ

    など、直接的には新しいお客様を連れてくる内容でなくても、プレゼンスを確保し新たなビジネスチャンスの創出に役立つ可能性があります。

 
以上のような切り口でWeb施策を実施することで、より効率的にリードを獲得するための母集団を形成することができるようになります。

実施にあたって

ここまでは、担当者ご自身が実施する前提で書いてきましたが、実施したい施策の内容によっては、予算の制約がでてくるかも知れません。そんな場合に留意すべきポイントを幾つか整理しておきたいと思います。

  • ポイント1:「小さく始める」

    いきなり「マーケティングをフル活用するためにコーポレートサイトを抜本的にリニューアル」とか言い出すと、予算獲得に理解が得られず施策自体が頓挫する恐れがあります。

    とにかく、自社に見合った施策の中でできるだけ小さく始められるものから着手しましょう。
    例えば、問い合わせフォームへ誘導するわかりやすいボタンを設置してみる、といったことならすぐに着手可能かも知れませんのでおすすめです。

  • ポイント2:「他部署と連携する」

    自部署だけでは予算規模が賄いきれない場合、他部署と連携し希望する予算を獲得するといったケースが考えられます。その場合、母集団形成によって受ける恩恵が大きい部署や、リードの獲得向上により受ける恩恵の大きい部署などと連携することが見込まれます。

    また、他部署との連携にあたっては、自部署の上司にも協力を仰ぐことが考えられます。
    こうした連携・協力に際しては、自部署の上司が連携部署の上司に説明してもらうことが必要となりますので、施策の重要性や意味について、納得してもらえるだけの説明を用意しておくことが重要です。

施策の実施が決まったら

予算も獲得し、実施する施策が決まったら、あとは信頼する制作会社に発注するだけです。もし、そうした会社にお心あたりのない方がいらっしゃいましたら、お気軽に弊社にお声がけください。

ところで、当社はスタッフを募集しています。くわしくはこちらの記事をご確認ください。

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