HCD(人間中心設計)とプロトタイプ活用のススメ(1/3)
作り手目線になりがちな社内
営業部門の方が、自社製品の販促チラシや営業提案用のパワポ資料をもとにホームページを作ってください、と依頼してきたら、どんなプロセスでページを作ることになるでしょう?
- チラシや資料から、製品のUSP(Unique Sales Proposition:独自価値の提案)、キャッチコピー、説明文、イメージ素材を抜き出す
- PC画面用、スマホ画面用にそれぞれ要素をレイアウト
- 構成が決まったら、デザインしてビジュアルのイメージを固める
- リンク先や問い合わせの導線を用意して、コーディング、テスト、公開
という流れになるでしょう。
一般的かもしれませんが、ここに「お客様」あるいは「ユーザー」が一度も登場しません。
依頼をしてきた営業部門の方は「このチラシ(あるいは資料)と自分のトークやプレゼンがあれば有効なコミュニケーションが成立する」前提で、あくまでお客様と、媒体と、自分の三者で成立するモデルをイメージしているのです。
しかしながら現実的には、Webサイトは「孤独なセルフサービス」なのです。
偶然うまくいくこともあるかもしれませんが、ユーザー不在の状態では誰も訪れることのない「作り手目線」のWebページがポツンとインターネットの世界の小惑星として存在するだけになってしまいます。
まずユーザーの情報を集める
その孤独なセルフサービスを有効に機能させるためには、まず最初の一歩としてユーザーの情報を集めることから始まります。
「このWebサイトにきてほしい方はどんな人ですか?」
と営業の方にお願いして、ユーザーに関する情報提供を協力してもらいましょう。
例えば、どんな企業のどんな部署の方が使うのか?立場は?どんな課題を抱えている?どんなメディアに接している?WebやITをどれぐらい使いこなしている?などです。
これらの情報を集めていくと、自然と「ペルソナ」が出来上がっていきます。