Webサイトを閉じることになったWeb担当者が読む記事(3/5)
鷺を烏と言いくるめる
例えば、主力商品のキャンペーンサイトに関するドメインを捨てることを考えましょう。キャンペーン告知にたっぷり予算をかけたなら、十分有名なドメインであることでしょう。しかもキャンペーンをやっている、という印象と強く結びついています。これを破棄されると同時に拾って、フィッシングサイトとして運用されたらどうなるでしょうか?まるで御社のキャンペーンが詐欺サイトであるように見えてしまい、批判殺到です。ドメインを破棄するとは、そういうリスクを受け入れることなのです。
というわけで、実質的に「ドメインを廃棄」するには、「廃棄せず、保持し続けて使わない」とするのが最も安全です。他人に使われて困るなら、他人に使用権を渡さない、すなわち自分が保持するしかないのです。そして、破棄した途端、誰が何に使うかわかりません。もっとも、ドメインに対するアクセスが皆無になってから十分時間が立っていれば、何に使われたとしてもそのリスクは無視できるようになるでしょう。つまり化石になるまで待つしかないのです。
鶏群の一鶴
パレートの法則というのがありまして、ロングテールとか80:20の法則などとも呼ばれてますが、要するに「人気は一部に集中する」という経験則です。数百人いても結局神7とか、まあ世の中そんなもんです。
サイトを閉じる決定をしたということは、恐らくサイトを運用するコストを掛けられないと決定した、ということかと思います。となると、トラフィックをうまく「拾う」ことを考えるにしても、極力手間をかけないようにしなければなりません。
すべてのトラフィックを維持するのであれば、すべてのコンテンツを維持することになりますから、結局サイトを閉じるという決定とは矛盾します。というわけで、「人気のあるコンテンツ」だけを救済し、残りは捨てることになります。だとしても、人気には大きなばらつきがあるのが普通であり、ごく少数のコンテンツを維持するだけでトラフィックの大部分を救済できるのではないでしょうか。
これらの厳選コンテンツについては、なんとか既存の閉鎖しないサイトに移植するように手を尽くしましょう。そうすることで、既存トラフィックの大部分を有効活用することができます。このあたり、サイトを管理しているWeb担当者の面目躍如の絶好の機会と言えましょう。