リード獲得だけではない、BtoB企業の営業プロセスに活用できるWebサイト
多くのBtoB企業がWeb上でリード獲得施策を行うようになりました。
しかしながら短期的には成果が出にくい(受注まで時間がかかる)こともあり、周囲からのプレッシャーも大きいという声も担当者からは聞こえてきます。
そこで今回は少しばかり視点を変えて、リード獲得に限らず営業プロセス全体に役立つWebコミュニケーションについて考えてみました。
リード獲得だけに目を奪われ見落としている側面や、思わぬ効果が見つかるかもしれません。
よくある質問(FAQ)による”ブランディング効果”
製品やサービス紹介に不可欠なのがよくあるご質問(FAQ)、あるいはQ&Aなどのコンテンツ。
顧客対応の効率化のための施策として代表的なコンテンツですが、営業時間外でもユーザーに情報提供できるという点でサービス面での効果も無視することはできません。
加えておきたいのが、ブランディングにおける側面です。
これはどういうことかというと、FAQコンテンツの充実度合いが企業のユーザーとの向き合い方、コミュニケーションの姿勢を図る指標の一つとなっている、ということです。
例えば用意された回答を見ただけで電話で問い合わせずに済んだり、非常にレアなケースだと思っていた問題が取り上げられていると、ユーザーの印象も格段に良くなります。
ユーザーは扱っている問題の粒度(細かさ)や内容のわかりやすさをコンテンツから感じ取っています。
FAQコンテンツの充実ぶりが、顧客を大切にしている企業の姿勢としてユーザーに伝わっていくのです。
事例コンテンツの”客観性が効く”
事例コンテンツについてはこちらの記事で詳しく取り上げていますが、リード獲得以外でもさまざまなビジネスシーンで役立つコンテンツの代表格。
ここでも取り上げないわけにはいきません。
特に導入への具体的な検討段階や決済者による判断を後押しすることができるのが事例コンテンツの強みです。
商談の最終段階では承認プロセスにおける決定権を持つ上長や経営陣が具体的なイメージを持って判断できることが重要となります。
サービスや製品そのもののスペックや機能も大切ですが、ビジネス経験が豊富な決済者はベンダーの組織力や対応力といった要素も同様に重視します。
ベンダー側の売り込み情報、担当者レベルの報告に加えて、第三者の視点から価値判断の材料となるのが事例コンテンツなのです。
営業スタッフのリテラシーのバラツキを補完
Webサイトのコンテンツが豊富にあることで、それを話のネタとして営業トークを展開することができます。
これは得意先に限った事ではなく、営業スタッフ同士のコミュニケーションの材料としても利用しない手はありません。
特に新人や経験の少ないスタッフにとって、経験豊富なベテラン営業マンとの話のネタを見つけるチャネルとなります。
Webサイトのコンテンツをネタにベテラン営業マンとの会話が弾むようになれば、自社の製品やサービス、あるいは得意先に関する理解や知識も自然と深まり、リテラシーのバラツキも補完されていきます。
営業トークやセールスポイントのアピールの学習計画に即してWebコンテンツを編成する、というのもアイデアのひとつです。
逆転の発想ではありますが、新人営業マンが理解しやすいコンテンツ構成であればユーザー(顧客)にとっても理解しやすいかもしれません。
自社の営業スタッフも大切なステークホルダー
自社の社員もWebサイトの大切なステークホルダーです。
特にBtoB企業では、営業スタッフ一人一人が顧客とのコミュニケーションチャネルの重要な役割を担っています。
先の項で取り上げた営業スタッフのリテラシーのバラツキを補完する作用もそうですが、社員のベネフィットは最終的には会社のベネフィットへと繋がっています。
加えて自社のWebサイトの出来栄えもよく、得意先や友人、家族からも褒められるようなことがあれば自分の会社を誇らしく思うことにもつながります。
このようなWebコミュニケーションの姿は、企業Webサイトの理想的な活用法と言ってもよいでしょう。
営業部門も効果を期待して、営業予算をWebへ回してくれるようになってくれれば言うことなしですね(少しだけわたしたちの願望込みで、笑)。