リニューアルプロジェクト計画の見直しが必要となったとき、ヒントとなる考え方
リニューアルプロジェクトでは想定より予算が大幅に上回ってしまうことがよくあります。
その反対に、自社の業績などの影響でプロジェクトの実施を前に当初予算が削られてしまうこともあります。
いずれにしても予算枠に収まらないため計画の見直しが必要となるわけですが、リニューアル本来の目的を失わずに計画を見直すためには前提条件から再整理する必要がありそうです。
前提条件の整理ができていない
予算が当初想定を大幅に上回ってしまった場合、限られた予算に合わせるべく計画をダイエットしていくという選択肢がまず最初に思い浮かぶと思います。
見直した結果そうなることも多いのですが、予算にフィットするよう調整することだけに注力してしまうと肝心のリニューアルの目的を見失いがちです。
まずは前提条件から見直してみるのがよいでしょう。
多くの場合、前提条件の詰めの甘さが予算オーバーという形で顕在化するからです。
- 要件の洗い出しが十分できていなかった
- 突き詰めていくとより根深い問題や課題が見つかった
- リニューアルの目的が多岐にわたっており、目的ごとに最適な施策が必要とわかった
優先順位と影響範囲を考慮する
特にコーポレートサイトのリニューアルの場合、コンテンツごとに関わる部門も目的も異なります。
こうした部門のリクエストに応えているうちに目的が「てんこ盛り」のような状態になってしまうことは実はよくあることです。
現実として部門すべての要求に応えることは不可能ですので、優先順位と影響範囲を十分に考慮しながら前提条件を再整理していく必要があります。
骨の折れる作業ですが、丁寧に紐解いていくことで本当に必要な施策が見えてきます。
予算にあわせたダイエットはより合理的な目的にフォーカスする
前提条件を再整理することは大幅に当初予定を上回ってしまったケースだけでなく、自社都合で予算が削られてしまったケースでも有効です。
限られた予算だからこそ、会社として優先すべき事業や投資効果の高い施策に予算を投じることが経営的な視点からも合理的です。
ですので、比較的影響範囲が少なく、かつ短期的に解決が必要な目的にフォーカスするとよいでしょう。
- プロモーションを目的とした製品・サービス紹介コンテンツのリニューアル
- 営業支援を目的とした、オウンドメディアや事例コンテンツの新規構築(あるいはリニューアル)
- サーバやCMSのリプレイス etc.
営業目的の施策は比較的短期間で効果も現れやすく、また影響範囲も限られているのため比較的実行しやすい施策です。
サーバやCMSなど環境面での課題が急務なケースであれば、手遅れにならないようデザインやコンテンツとは切り離してプロジェクト化するというのもよくある手段です。
「担当部門に協力してもらう」という発想
ここまで予算を「削る」方向性を探ってきましたが、予算を増やすという選択が全くないわけではありません。
そうはいっても予算折衝のために上層部を説得するため十分な材料(と根気)が必要で、現実には厳しい壁が待ち構えていることと思います。
こうしたケースでは「(リニューアルした結果、利益を享受する)担当部門にも協力してもらう」というのも一つの選択肢です。
「コストセンター」と「プロフィットセンター」
一般的にコーポレートサイトは総務・広報、あるいは経営企画室といったいわゆる「コストセンター」と呼ばれる部門が管轄していることが多いと思います。
こうした部門では予算=コストは削減することが良しとされる傾向にあります。
かたや営業部門に代表される「プロフィットセンター」では利益を上げることが最大の目的であり、コストは「投資」と捉える向きが大きいように思います。
プロフィットセンターに属する部門であれば、計画している施策が部門のベネフィット(売り上げ向上、業務負担軽減 etc.)になると判断すればコスト負担もやぶさかではないはずです。
部門間の調整などクリアすべきハードルもいくつかありますが、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。