2016年07月27日Webマーケティング

【おすすめ書籍をWeb視点で読む】「顧客はサービスを買っている」

【おすすめ書籍をWeb視点で読む】「顧客はサービスを買っている」

今回は久しぶりにおすすめ書籍の紹介です。

「顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント」
諏訪 良武 (著), 北城 恪太郎 (監修, 監修)

2009年の出版なのでビジネス書としてはちょっと時間が経っていますが、手元の版でも10刷なのでそれなりに売れているようです。

書評やまとめ記事はGoogle検索すればたくさんヒットするので本書の詳しい内容はそちらをご参照いただくとして、

「Webに詳しくないWebマスターのためのブログ」

ということでWebサイト構築や運営に役立つ視点も絡めて解説します。

企業はすべて「サービス業」である

最初の章で「いまや、企業はすべてサービス業である」として、どの業種においてもサービス分野を重要視すべきことを説いています。

確かに製造業をはじめとした物理的なモノを扱うビジネスにとって、商品そのものにおける競争が難しい時代になってきました。
本書では事例としてIBMやGEをあげていますが、アフターサポートや情報コンテンツといったサービスで顧客満足の向上を図る企業も増えています。

Webの視点から見ると、実はコーポレートサイトをはじめとした企業が運営するサイトはすべて「サービス」の分野に属するものです。
すべての企業がWebサイトを運営するようになった昨今、顧客満足向上や差別化を図る目的においてもWebサイトの充実がキーファクターになりつつあります。

自社のサービスを科学的なアプローチで捉える

こうした前提のもと、サービスの特性や構成要素、あるいは特長による分類からモデル化まで「科学的な」アプローチで自社のサービスの捉える手法を紹介しています。
(本書では「サービスサイエンス」と呼んでいます。)

マーケティングの世界ではおなじみの「マズローの5段階欲求」をはじめとしたさまざまな手法を用いてサービスの「見える化」を推し進めます。
自社がサービス業の場合もそうでない場合も、このアプローチに沿ってみていくと自社サービスの「課題」が浮き彫りになってきます。

本書の中ではさまざまな図版を交えて解説しているのですが、図版の中心が「顧客=ユーザー」となっているものが多いのがWeb視点で見ると特徴的です。
加えて、プロセスについての解説はWebコミュニケーションを考える際によく使われるユーザー行動シナリオやカスタマー・ジャーニーに置き換えることもできます。

後述しますが、本書の中核である「ユーザーの事前期待」を理解する上でも重要なポイントです。

「サービスの材料」となるお客様の課題

サービスを分解してモデル化を進める過程で「サービスの材料」というもうひとつの課題に突き当たります。

日本の企業は伝統的に製造業的なマネジメントシステムを導入しており「材料=原材料」という考え方が一般的です。

ところがサービスとしてとらえたときに、原材料(あるいは製品そのものまで)はサービスを提供するためのツールに過ぎず、顧客の満足とは直接関係がありません。

ではサービスにおける材料とは何か、その答えは「お客様の課題」となります。

詳しい解説は本書に任せるとして、プロダクトアウトかマーケットインか?という考え方にも似ていますが、「材料=顧客の課題」という帰結は多くの気づきを与えてくれます。

私たちの仕事でも、お客様はWebを作ってほしいというオーダーでやってくるのですが、実際にはヒアリングを重ねていくうちに何か解決してほしい課題を持っていることがほとんどです。
例えば、「新卒採用の母集団形成をもっと効率的に」というのが本来的な材料で、それをWebという手段で解決していくという形です。

「サービスの事前期待」を作る接点としてのWeb

サービスの材料が「顧客の課題」と判明したところで、本書ではサービスについて以下のとおり定義しています。

人や構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するもの

続けてサービスの品質を高めていくには、お客様の事前期待のマネジメントが重要であるという論理を展開しています。

本書の中でサービスには

  • 物理的な形がなく
  • 顧客の個別要求に応える必要がある
  • 生産と消費が同時に行われる
  • 勝手には作れない。お客様と共同で作る必要がある

という性質があると紹介されていますが、こうしたサービスの価値を伝える上で、Webの接点としたコミュニケーションはとても重要ですし、実際に適していると思います。
「事前期待」という点からもサービスの品質を高めていくために必要な顧客=ユーザーとの関係を形成していく上でも欠かせない役割を担っています。

このことに気づいた企業(特にBtoB企業)がWebの活用に成功しているとも言えるでしょう。

Webの視点からもう一つ付け加えると、「ユーザーの期待に応えること」「ユーザーの課題を解決すること」がWebの設計やコンテンツ作りでは重要視されますが、言い換えると「事前期待への適合」を目指していることに他なりません。

まとめ:「サービスプロセスの一環」としてのWebコミュニケーション

企業のWebサイトには、自社のサービスを紹介する「事業・サービス」などのコンテンツが存在します。

しかし、サービス群の分類やグルーピング、あるいはサービスの名称がユーザーにとってはわかりにくいケースがよくあります。
多くの場合、自社内における商品群やサービス群の序列や、担当部署の違いなどでグルーピングしてしまうために起こる現象です。

私たちはよく「ユーザー中心の情報設計」という観点から、コンテンツやラベリングの見直しなどを提案していますが、「サービスプロセスの一環」としての側面も大きいと感じます。

お客様にサービスを提供するというプロセスは、Webでの接点、いや検索結果画面への表示内容から始まっているのかもしれません。

Getting Betterとは

企業の忙しいWeb担当者(Web担当者)の方のために、コーポレートサイトやオウンドメディアの運営に欠かせない情報やトレンド・ノウハウを解説するブログです。

日々のサイト運営のご参考になれば幸いです。

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