BtoB企業のWebサイトでアクセス解析から見つける仮説の一例
アクセス解析の使い方はなんとなくわかった。
「今月は、PVがこれこれで、UUはこれこれ。先月に比べて、ちょっとアップだけど、ページ滞在時間は減ったので、う~ん、一勝一敗かな」
…。
極端な例ですが、解析ツールの使い方が分かっても、なにをどう分析したらよいか?明確に意識されていないことがしばしばあります。
分析なので、何かと何かの差分に意味を見つけることが本来の目的なのですが、言葉の意味はわかっても具体的に自分のケースではどうなるのか考えにくいと思います。
先日のGoogle Analyticsハンズオンセミナーでも、社内の反省会でこのあたりをきちんと説明すべきだったという意見が多かったので、今日はひとつ「仮説の一例」について書いてみようと思います。
たとえば、Webサイトから新規顧客のお問い合わせ獲得を目的のひとつにしてるんだけど、実際にはなかなか獲得できずどこに問題がありそうか考えたいというケースを想定してみます。
(設定としては、BtoB企業とします)
- ユーザーのうち新規の訪問者率:60%
- 社名やサービス名で検索して訪問してくるユーザーが:80%
- そのうち顧客セグメントに属しているユーザーの含有量:20%
- お問い合わせフォームからコンタクトする確率:5%
これらを掛け合わせると、
つまり、「全体のユーザーのうち0.48%は有効な問い合わせをする」という仮説の構造になります。
これは、そのサイトの月間ユーザーが、2000人だったら9.6件の問い合わせがあるはず。という仮説になります。
4000人だったら19.2件だし、1000人だったら4.8人です。
この仮説に対して、段階別に実態がどうなっているのか?を分析していくと、目的に対する改善点の方向性が見えてくるのです。
- 新規の訪問率が低いのであれば、
⇒新規ユーザーのサイトへの流入施策を考えるべきです。 - 社名やサービス名の検索シェアが低いのであれば、
⇒広報にももっと力を注いだほうがよいでしょう。 - サービス内容や料金などの情報を閲覧するユーザーが少ない場合は、
⇒コンテンツが不足しているのかもしれません。 - お問い合わせフォームのコンバージョンレートが悪いのであれば、
⇒機能やユーザーフローの見直しが必要でしょう。
解析ツールを使って、訪問数に対するコンバージョンレートだけを見ると、0.48%という結果しか見えずに、それに対してどこをどう改善する余地があるのか?が分かりません。
上記のように、計測できる数値の間を埋める仮説を立て、その検証を繰り返していくことができればアクセス解析を行う意味も出てくるのです。
ぜひ一度、「仮説」についてトライしてみてください。