2017年07月26日カテゴリ:Webマーケティング

2017年度新入社員の「ホンネ」から探る採用コンテンツのアイデア〜その2:考察編

2017年度新入社員の「ホンネ」から探る採用コンテンツのアイデア〜その2:考察編

後編ではインタビューを振り返り、Webとの接点や企業Webサイト(新卒採用サイト・コーポレートサイト)の使われ方、あるいはコンテンツのあり方など考察します。

←前編(インタビュー編)はこちら

就職活動のスケジュールについて

まず最初に、就職活動の開始時期やスケジュールについて振り返っていただきました。

インタビューでは2人とも大学3年生の1月ごろから徐々に活動を始めたということで、標準からやや遅めのスタートでしょうか。
少なくとも「意識高い系」と呼ばれるようなタイプではないようです。

なお、就職情報サイトのオープンが経団連のスケジュールにあわせて3月となっていることから就職活動の解禁も3月のように思われていますが、経団連に所属していない企業の募集はもっと早い時期に始まるので、希望する企業や業種によって就職活動のスタートは人それぞれ違うのだそうです。

ところで「大学の就職セミナーは強制参加」という事実、はるか昔に就職活動をした筆者からみると少なからず驚きでした。

大学の就職セミナーは強制参加

就職情報サイトの使われ方と活用のアイデア

「合同セミナーへも行くけれど、やはりWebが企業探しの中心」との発言にもあるとおり、リクナビやマイナビといった就職情報サイトはもはやなくてはならないツール。

「ブックマークに近い感じで」という言葉にもあるとおり、気になった企業があればとりあえずエントリーボタンをクリック(=プレエントリー)というのが一般的な使い方のようです。

多い人では100社近くプレエントリーするとのことですが、やはり企業にとっては就職情報サイトでの認知拡大は大きなテーマ。

いたずらに目立たせる必要はありませんが、コピーライティングやアイキャッチ画像の選定には一工夫したいところです。

※こちらの記事でも詳しく述べています。
→新卒採用コンテンツ2018〜BtoB企業の認知を高めるヒント

また、2人とも制作や広告といったクリエイティブ職志望だったのでリクナビ・マイナビ以外の就活情報サイトも利用していました。

専門的な技術や職種での採用であればこうした専門性の高い就職情報サイトも活用したいところです。

学生は就活情報サイトにエントリーする

企業サイトへは検索で流入

気になる企業があれば当然、企業のサイト(コーポレートサイト/新卒採用サイト)へ訪れます。

ところで採用活動をしている企業の側に立ってみると残念に思われるかもしれませんが、企業名を覚えると自ずと検索から流入するようになるのでコーポレートサイトから流入することが多くなるそうです。

※就職情報サイトにリンクが設定できない、ということも少なからず影響しているかもしれません。

弊社サイトでも新卒採用サイトへアクセスしたユーザーの約3割がコーポレートサイトのトップから流入で、新卒採用サイトへの直接流入した割合(約2割)を上回っています。

また、もっとも見ていたコンテンツが「実績」という事実も見逃すことはできません。

志望がクリエイティブ職ということで自分の好きな作品やテイストが近い作品の制作実績があるかどうかを調べる、という行動も合点がいくものです。

もちろん今回の結果だけで全体的な傾向を語るわけにはいきませんが、新卒採用サイトだけでなくコーポレートサイト「も」見ていることは踏まえておく必要がありそうです。

学生は検索からコーポレートサイトに流入する

学生にとって良いサイトとは?

最後に、印象の良かったサイトや悪かったサイトについて振り返っていただきました。

かなりディテールまで踏み込んだ話もあってすべてはご紹介できないのですが、おしなべてFLASHムービーがオープニングで再生されるようなページやスクロールが長くギミック的な視覚効果を盛り込んだ、いわゆるインプレションを重視したサイトは不評でした。

企業研究や面接対策のために何度も訪れるサイト、その度にムービーや何度もスクロールをさせられるのは飽きるしストレスにもなるそうです。

その気持ち、とてもよくわかります(笑)。

一方、外出先や移動中にスマートフォンでアクセスすることも多いので、そうしたシチュエーションで見たいコンテンツ(募集要項・アクセスなど)へのすばやく遷移できるのはとても助かるとのことでした。

余談ですが、弊社新卒採用サイトも募集要項へのリンクボタンがファーストビュー(※)に掲載されていること「だけ」はお褒めのお言葉をいただきました。

※:ページを最初に表示した際に画面(ディスプレイ)内に表示できる領域のこと。厳密には機器やデバイスによって異なる。

まとめ:学生の行動に沿ったユーザーファーストの設計を

さて、今回のインタビューについて改めてポイントを整理してみましょう。

  • 就職活動の開始時期は3月から(経団連発表のスケジュールどおり)とは限らない
  • 認知のためにも就職情報サイトはやはり大事
  • 新卒採用サイトだけでなく、コーポレートサイトも見られている
  • インプレッションよりユーザビリティ

月並みな結論ですが、学生の行動(カスタマージャーニー/ユーザーシナリオ)に沿って、ユーザーファーストの設計を行うことが、新卒採用サイトのみならず採用活動全体の効果をあげるための最善策でもありそうです。

←前編(インタビュー編)はこちら

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