この時期に振り返っておきたい採用サイトのパフォーマンス
内定出しも終わって諸々の手続きが片付けば、今年度の採用活動の山場はとりあえず超えたはず。これから内定者フォローなど、やらねばならないことがまだまだ続きますが、実はこの時期に採用サイトの見直しも進めるのがベターです。
採用サイトの役割と効果
マイナビがまとめた「新社会人白書2018」によると、新社会人が内定先を決めた理由の1位は「会社の雰囲気」だそうです。
新社会人の55.1%が「内定先で一生働きたい」 と回答! 内定先の決め手は「会社の雰囲気」が最多【新社会人白書2018】
引用元:https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/52807
なんちゃらナビで御社名を見つけて興味を持った就活生が、詳細の確認や比較検討の情報収集のために企業の採用サイトを訪れます。
採用サイトは、御社にとってオリジナルな接点となります。
そのため、採用媒体における接点と違い、いわゆる第一印象を形成する役割を担っています。学生は、説明会やOB/OG訪問、面接といったリアルな体験の中で雰囲気をつかんでいくわけですが、採用サイトはその中でも初頭効果を形成し、印象付けるポジションにあります。そのため、トレンドに合わせてデザインを刷新し新鮮さを保ちたくなりがちですが、実際、どこから見直すのがよいのでしょうか?
部分改修かリニューアルか
採用サイトには、一般的な耐用年数や、リニューアルサイクルの鉄則があるわけではありません。しかし、現状が効果的でないのなら、何かしらのテコ入れは必要です。
今どきスマホに対応できてないのなら、さすがにリニューアルしたほうがよいでしょう。わざわざICTに遅れている印象を形成する必要はないのですから。
なんとなく古臭い程度なら、部分改修やデザインリニューアルで十分でしょう。問題は雰囲気だとしても、事前にきちんと問題点を洗い出し、一つの仕事として対策を計画していくことをおすすめします。
問題点の明確化
定量的に評価する
まずは、全体像を事実として評価していきましょう。
アクセスログ解析を使って、どのコンテンツが何回、何人に見られたかをチェックしていきます。
採用サイトの場合、ユーザーは社名検索によってたどり着く場合が多いので、検索ワードは社名関連がほとんどだと思います。ですが、丹念に見ていくと意外な発見があるかもしれません。
現実的な効果を振り返る
たとえば、「採用サイトが母集団形成に役立っていたか?」という観点については、採用サイトを経由したエントリーが何件あったか、割合としてどれくらいだったかを確認すると良いでしょう。また、その経年変化を追ってみることも重要です。
その他
「意向上げに貢献したか?」「企業理解、事業理解に役立ったか?」という観点については、面接官や内定者にヒアリングしたり、アンケートをとるなど、生の声を集めることが効果の把握に役立ちます。
内定辞退モデル
また、この時期ならではの心配事として、内定の辞退があります。
就活生一人あたり、平均2社以上の内定を獲得しているという状況なら、内定者の半数が辞退となってもおかしくはありません。一方で担当者としては補充のための二次募集が必要となる状況にもなりかねないので、どうにか避けたいところです。
内定辞退の理由としては、多くの調査で「条件面」関連の理由が一位とされており、そこには次のようなメカニズムが存在しているように推測されます。
条件は内定後に精査される
学生は売り手市場と言えども、内定をもらうまで、率直なことは聞きにくいものです。「休日のこと」「昇給のこと」「残業のこと」など、聞き方によっては選考に不利な印象を与えかねないと思えば、内定をもらうまでは黙っていようと考えるのが人情でしょう。
一方、晴れて複数の会社から内定が出た段階であれば、もはや当落を気にする必要ありません。なので、知りたかったことを少しずつ確認していくわけです。この結果、期待した条件と違うということがわかれば、辞退することになります。
ネガティブな情報でもWebを活用
会社としては「これを知ったら入社しようとは思わないよな」という情報であっても、事実は事実ですから、事前に正確に伝えなければいけません。
面接や説明会で伝えにくい場合、Webに掲載しておけばよいのです。取り繕ったり、隠したりすることは結果を悪くするだけです。表現には工夫が必要だとしても、条件に関わる内容は事実を正しく伝えるようにしましょう。事実は変わらないにしても、誠意は伝わるものです。
その他検証ポイント
予想外に内定辞退が多かった場合、特に条件面のコミュニケーションがすれ違っていなかったか、検証してみるとよいでしょう。
2020新卒採用は激戦?
来年は採用活動の早期化にますます拍車がかかることが予想されます。2019年度新卒は6月の時点で8割近い内定率ということですが、2020年度はさらに激戦が予想されます。
今年と同じことをしていては目指す定員を確保できなくなってしまうかもしれません。そのため、採用サイトもさらなる工夫が求められそうです。
例えば、近年活発になってきたインターンシップの様子を採用サイト上でコンテンツとして掲載しておくと、情報解禁の時期とは関係なくアクセスできるので、社内の雰囲気を伝える手段として有効に活用することができます。
先ずは今年度の振り返りから始めて、戦略を検討することで成功につなげていきましょう。