成功へ導くプロジェクトマネージャーに共通の「ある力」とは(1/3)
ITプロジェクトの5割は失敗する
あなたはいま「○○公式サイト リニューアルプロジェクト」のキックオフミーティングにメンバーを集め、これからこのメンバーと「プロジェクト」を進めていく立場にあるとします。人数が多いとそれなりに安心感があるかもしれませんが、ITプロジェクトの成功率は高くはないという現実があります※。そして、その失敗の原因の大半が関係者の間の「コミュニケーション」にあると言われています。
「伝えたはず」
「聞いていない」
「そういう意味だとは思わなかった」
「そもそも論として・・・」
プロジェクトの後半になってこういう言葉が飛び交うシーンを経験された方は多いのではないでしょうか。
企業のWebサイトのリニューアルもITプロジェクトの性格をもっているため、プロジェクトを成功に導くプロジェクトマネジメントでは「コミュニケーション」の問題が生じないように、あるいは早期発見・早期解決が重要になります。
※「プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず 1745事例を調査、成功率は52.8%」
プロジェクトの業務のうち「作業」に相当するものは3割にも満たない
一般的な業務と違って、圧倒的に「コミュニケーション」の占める割合が高いのがプロジェクトの特徴の一つです。その理由はプロジェクト自体が、目標達成のためにメンバー間で何度も話し合い、検討を重ね、決めていく作業の連続だからです。
一般的な業務では、あらかじめ手順が決められている「作業」のシェアが高く、サクサクと進んでいく実感を伴うのに対し、プロジェクトの場合はその「作業」のシェアが低く、全体として大量の作業を組み合わせる必要があるため、特に初期段階では進んでいる実感がありません。
- 問題の原因分析
- 課題の検討
- タスクへの分解
- 段取りやスケジュール調整
- 打ち合わせ
- 議事録作成
- 連絡、相談
- 予算調整
など、ドキュメントを読み込み、説明を受け、意見を交わし、疑問や質問に答え、他の関係者に説明し、矛盾があれば解消し、記録を残し、連絡をする。
具体的なアクティビティを想像してみると、そのほとんどが「コミュニケーション」を伴うものであることがよくわかります。
このいつもとは違う業務に、さまざま部署から多くのメンバーがアサインされてプロジェクトの体制が作られていくことになります。