PEST・SWOT・5フォース、外部環境分析で価値あるWeb戦略を立てるには(1/3)
Web担当者は今や組織の最前線に立っている!?
「デジタル」「オンライン」「Web」に対する注目度や関心、あるいは責任のようなものが日増しにボリュームを上げて聞こえてくるようになってきたのではないでしょうか?
Web担当者もしくはその上司にとっても、その声の高まりは無視できないはずです。とはいえ現状のリソースだけでは対応に手が回らないかもしれないので、会社として正式にリソースを割いてもらう必要があります。
そこで今回は、その理論武装の土台として使える外部環境分析のフレームワークの活用方法と取り組みのヒントを解説します。これらのフレームワークは経営戦略に限ったものではなく、その優秀な構造はWeb戦略にも応用可能なのです。
PEST分析を活用して重要課題をあぶり出し
外部環境分析のフレームワークとしてはPEST分析が有名です。Politics:政治、Economics:経済、Society:社会、Technology:技術という主要な4つの環境要素について、一般的にはビジネスへの影響を洗い出し、重要課題をあぶり出すために使います。
Web戦略を考える上で政治(P)と経済(E)は直接的な影響が少なく、かつ現在は特に先行きが不透明なため社会(S)と技術(T)に注目しましょう。
特に「ソーシャル」と言えば「ネットワーク」ではなく「ディスタンス」が連想される昨今において、社会情勢の変化・価値観の変化は劇的にやってきました。
Face to Faceの重要性や効果は誰しも否定はしないものの、感染防止の観点から距離をとったり通信を使ったコミュニケーションをせざるを得ない状況になってしまいました。
そして同時にの変化の受け皿となるべく、インターネット・Webのテクノロジーが進化・浸透し始めています。今や初対面が画面越しということも珍しくありません。
この二つの外部環境の変化はWeb戦略を考える上で重要な基調となるはずです。
環境の変化をポジティブに
この環境の変化はWebに関わる業務をしている方にとっては、むしろポジティブにとらえるべきでしょう。これまでオフラインで行っていた活動をオンライン化して合理化・効率化するチャンスでもあります。
たとえば展示会への出展やセミナーの開催などのリアル接点は、オンラインイベントやオンラインセミナーに置き換わっていきます。それらのイベントについての情報自体に触れる場も当然インターネット経由の比重が高くなります。
これまで以上に自社のWebサイトやハウスメルマガ、オウンドメディアなどのチャネルを活用して接点を増やしていく取り組みが重要になってきます。
「デジタルトランスフォーメーション」とか「デジタルシフト」だけでは、いまいち具体的に何をすればいいかイメージできなかった人たちにも、取り組むべきことが一気に明確になってきます。
オンラインセミナー、アーカイブ視聴、ダウンロード資料、チャットサポートなど、各部門からニーズが上がってくるので、公式WebサイトだけでなくWebツールやサービスを使う活動のサポート体制が必要になることを説明できるようにしましょう。