成功に導くプロジェクトマネージャーに共通の…
このような状況にあるプロジェクトを成功させるプロジェクトマネージャーは、ある共通の「ある力」を持っています。
それは、「冷静かつ丁寧な推進力」です。
ここで言う「冷静かつ丁寧な推進力」とは、「現状を把握し、詳らかにし、相手に正しく気づかせ理解させる能力」のことです。
プロジェクトに入った関係者は皆、いわば一つの船に乗った運命共同体です。一人残らず目的地にたどり着けるように、現実を見据えた対処が必要になります。
プロジェクトはいつも良い方向に進んでいるとは限りません。非常に悪い、時には切羽詰った状況にまで追いやられていることもあります。しかし、プロジェクトのメンバー全員がその悪化した状態を正しく理解しているとは限りません。
そうした場面において、プロジェクトマネージャーは「これ以上悪化させるとプロジェクト自体が破綻する」という事態をメンバーに伝え、時には厳しい口調で問いただし、正しい方向へと導くことが求められます。
そしてその一つ一つに「コミュニケーション」を伴うため、「冷静かつ丁寧な推進力」のあるプロジェクトマネージャーはきちんと相手の立場や置かれた状況について想像力を働かせます。その上で適切な内容・タイミング・表現でコミュニケーションを行うことができるため、プロジェクトを成功に導く可能性が高くなるのです。
プロジェクトマネジメントには知識と経験やリーダーシップ・調整力・交渉力、あるいは柔軟性や熱意などさまざまな要素が必要とされます。しかし仮にこれらを備えていたとしても、この「冷静かつ丁寧な推進力」という力を持っていないとプロジェクトの成功確率は高くなりません。
もしもプロジェクトの担当者として、あるいはリーダーや責任者としてプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャーを指名しなくてはならない場合、この資質の有無に注目するとそのプロジェクトが成功する確率が高くなるでしょう。