「製品の情報」とは?キチンと設計するために定義してみた(後編)(3/3)
リードを獲得する機能
ここまでは、ユーザーが目的の「製品の情報」に到達するまでの情報設計について説明してきましたが、一歩進んで見込み顧客を獲得するための機能、いわゆる「リードジェネレーション機能」について考えてみましょう。
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「デジタルインセンティブ」を用意する
サポートの一貫として「製品についての問合せ用」フォームは既に設置されていると思いますが、それとは別に「デジタルインセンティブ」(ダウンロードできる資料やホワイトペーパーなど)を用意することで、メールアドレスや所属会社情報などの「リード情報」を入力してもらう仕組みを作ることができます。
ただし、BtoBメーカーのWebサイトの場合、カタログや承認図などのファイルはデジタルインセンティブには不向きです。製品に付帯するこれらの情報提供は「サポート」の意味合いが強いため、利用する度に個人情報の入力を求めてしまうとかえってサービス品質が低下しかねません。
むしろ、訪れたユーザーが直面している仕事を前に進めるために必要な情報を、デジタルインセンティブとしてダウンロードできるようにしておくとするとよいでしょう。
例えば、同系製品との比較表とか調査レポートとか、コストシミュレーションの計算シートとか、導入費用の構成例などが有効に機能します。 -
最優先はユーザーのニーズを満たすこと
ユーザーは、あくまで自分の仕事に役立つ情報ニーズを満たすためにWebサイトを訪れます。決してマーケティングされたくて訪れるのではありませんので、ユーザーの主体性を奪うような強引な手法や、敬遠されるような手法は避けたほうがよいでしょう。
前編では「公式」であることの責任を解説しましたが、さらに大切な事としてメーカーとしての「信頼性」を損なうようなコミュニケーションはしないように気を付けましょう。
Webの場合、セキュリティやコンプライアンスへの対策を間違うと「信頼性」を損なうことにつながりかねませんので、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
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前編・後編と2回にわたり解説してまいりましたが、いかがでしょう?
インターネットにおけるBtoBのビジネスコミュニケーションの現場では、「ケチャップ」をとりまく環境はさらに劇的かつスピーディーな技術革新が進み、メタ情報を扱うコミュニケーション設計の重要性が増しています。
ひと言のラベル、説明文、情報の断片が大きな結果の違いを生むため、その設計にはトライアル&エラーを繰り返しながら丁寧に積み重ねていく必要があります。
アプローチを間違えると、「ケチャップとは何か?」を哲学的に考え始めてしまうので、オムレツが冷める前にぜひ専門家にご相談ください。