こんなHTMLファイル名は嫌だ!知らないと恥ずかしい「名付け」の問題(前編)(1/2)
ファイルの管理と名前付け
Webサイトを運用・運営しているWeb担当者にとって、決して離れられないタスクとして「ファイルの名前付け」(以下「名付け」)があります。
Webサイトに掲載する素材として集まってくるものの中には、さまざまな様式のファイルがバラバラな名前で集まってきたりするので、きちんと管理をしておかねばなりません。
思いつきや行き当たりばったりで適当な名前をつけてしまうと、後から面倒な問題がおきてしまうこともしばしば。
今回はWeb担当者にとって、そんな「名付け」を巡る問題をご紹介します。
誰にとっての「名前」?
「名前」と一口に言っても、Webサイトの管理上はいくつかの切り口があります。
ここでは、特に「ファイル名」について説明するのですが、Webコミュニケーションの中ではそのほかの「名前」として、「ページの名称」や「URLの文字列」なども関連してきます。
-
たどり着いてもらうための名前
検索エンジン経由の場合、検索結果に青いリンクの文字で表示されている「ページの名前」は対象ページのHTMLファイルのソースの中の「title タグ」の文字列であることがほとんどです(最近の Google は勝手に最適化をするため100%とは言い切れませんが)。
これは「ファイル名」とは別に、適切な「ページの名前(title タグに指定する文字列)」を決めてあげなくてはなりません。
他にもSNSにシェアされた時、そのページのタイトル(こちらはog:title)が「ページの名前」として、ユーザーがたどり着けるための手がかりになります。そのため客観的に見てわかりやすく、予備知識がなくても「何についてのページか?」がわかるようにしておかなくてはなりません。
-
ページを閲覧している人のための名前
一方で、そのページ自体を今閲覧している人にとっては、titleタグはあまり認知の対象にはなりません。
ソースコードの中のtitle タグは、タブブラウザのタブに表示されているはずですが、多くても18文字程度しか表示されません。タブをたくさん開いている状態ではそもそも表示すらされません。
そんな状態にいるユーザーにとっては、そのページのh1要素(一番大きな見出し要素)が、その「ページの名前」として認識されます。
SEO(検索エンジン最適化)の観点から、一つのページは一つのテーマに絞った方がよいため1ページにh1が一つ(h要素は検索エンジンが内容を解析する中で重要な要素)で、それがtitle要素と同じ成分を含んでいることがよくあります。
ただ、titleとh1では、それを目にするユーザーの現在地が違うので、その視点に立ってそれぞれ最適化する(もちろん共通でもそれが最適なら問題なし)必要があります。
-
サイトを管理していく人のための名前
そして、もう一つの視点としてサイトの管理者としての視点があります。
企業のWebサイトの場合、人事異動によって管理者は交代することがよくあります。また、ページ数が数百の単位を超えてくると、どんなに優秀な管理者でも記憶に頼る運用が破綻し始めます。
そのため、ユーザーへのわかりやすさに配慮した上で、管理の上でも引継ぎ可能で理解しやすい、ファイル名にもページ名にも体系的なネーミングルールを持つことが望まれます。
そして「HTMLファイル名」は、ダイレクトにURLに反映されるため、実はとても重要なのです。よく考えずに適当な名前をつけていると痛い思いをしかねません。