デザインを評価するために、ヒントとなる2つの視点
リニューアルなどのプロジェクトではデザインを評価・承認するプロセスがあります。
何となくもやっとはしているけれど、どこが悪いか具体的に説明するのはなかなか難しいデザイン。 しかし、組織での合意形成のプロセスではロジカルな説明を求められる場面もあります。
そんな時に参考になる、2つの視点をご紹介します。
1.気になる部分について着目する
まずは「もやっとしている」ポイントを探してみるのが良いでしょう。
デザインを構成する要素のうち、どこに問題がありそうか検討してみます。
- ロゴの使い方
- 余白の使い方
- ナビゲーション
- レイアウト
- フォント
- メインビジュアル
- 読み易さ
- コントラスト
- 配色 …etc.
細部に着目していくことで、ぼんやりとしていた輪郭が見えてくることがあります。
このプロセスにはもう一つの目的があります。
それはデザインそのものが抱える問題とそうでない問題を切り分けることです。
ラベリングやコピーライトなど、ワイヤーフレームや画面設計書といった資料で目にしていた要素もデザインという形で具現化されるとまた違った気づきや見え方をするものです。
切り分けてみるとデザイン以外の問題の方が多かった、ということも案外よくあることです。
2.ユーザーの視点に立ってみる
ユーザーの視点から見ることはデザインを評価する上でも重要です。
特にコーポレートサイトではステークホルダーが複数存在しますので、多角的な見地から検討する必要があります。
- お客さま(クライアント)
- 報道・プレス関係者
- 取引先・関係会社
- 株主・投資家
- 就職希望者(とその家族)
- 家族・親戚・友人
※ステークホルダーについては以下記事もご参照ください。
それぞれのステークホルダーの立場から自社の訴求したいことや伝えるべき情報がきちんと届いているか確認してみてください。
運営側で重要視していることやこだわりも、ユーザーの視点からみると実は関心がなかったり重視していないこともあります。
合意形成のために必要な論理性や合理性
デザイン決定の社内合意のプロセスでは、多くの場合でプロジェクトオーナー(その多くは経営層や社長)の判断が必要です。
こうした場面では論理的かつ合理的な理由や背景が求められます。
それぞれの視点で洗い出された問題点について不明な点があれば、まずは制作会社に説明を求めるとよいでしょう。
意図してデザインされたのであればその背景や理由があるはずです。
デザインに限らず、決裁権のある方々がWebに関する専門的な知識を有していることは稀です。
それ相応の理由もなしに判断を下すことの方が難しいですし、責任を持って判断することもできません。
組織で使うデザインだからこそ、ロジカルな理由や背景が重要なのです。