【来期予算獲得の秋】:RFI(情報提供依頼)という手法のススメ
Web業界には意外と浸透していないのですが、RFI(アール・エフ・アイ:Request For Infomation)という文書があります。
言葉としては、情報提供依頼という意味ですが、プロジェクトの企画段階などのシチュエーションによってはとても便利な文書です。
RFIとは
元々は、情報システムやITソリューションの導入時に、候補となるベンダーに詳しい情報の提供を依頼する文書のことです。
仕様が固定的な製品やサービスであれば、細かいスペックや性能情報がそれにあたります。
システム開発などそれぞれの個別要件の場合は事例を元に、
・実現した課題解決
・実装した機能
・予算規模
・工期
・制約条件
などの情報を記述してもらいます。
RFIのメリット
なにが便利かというと、
・情報収集段階においては、スピーディに情報が集まる
・集まった情報によって、視野が広がり新たな可能性に気が付くことがある
・公開されている情報より深い情報を入手できることが多い
・予算規模の相場感をもつことができる
・事例に基づいているのでイメージしやすい
他にもありますが、このへんが主なメリットになります。
もちろん、求めるソリューション・内容によってメリットも変わってきますが、Webに関するプロジェクトならほぼ当てはまると思います。
具体的には(RFI利用のシチュエーション)
たとえば代表的な例として、来年度はWebサイトをリニューアルしようと考えていて、年末にかけて予算申請をするタイミングだとします。
ここで、
「前回は、確か…○百万円かかったから、今回もそれぐらいで…」
という形で決めてしまうと、後で実現したいことが実現できずに困ったことになります。
それでは、実現可能性を第一に考えて、
「制作会社から見積もりを取ろう」
とすると、候補の業者を洗い出し、オリエンテーションを行って質疑応答をやりとりして、条件のすり合わせなどを行って…
まだあまり具体的なプランが無い状態で、見積もり依頼に突入すると正直なところ面倒になってきて、つい、
「ほんと、概算でいいので」
と言ってしまいがちです。
そうするとよくある傾向として、既存の制作会社は割高に思える概算見積を「あくまで概算ですから…」という形で提出し、新規にお願いした制作会社は案件を獲得したいので、安めの金額で提出してきます。
それぞれ、思惑がありますから、仕方が無いことです。
これで、目測を誤って、少なめの予算にしてしまうと、改めて計画を具体化していったときに実現できることが少なくなってしまいます。
さらに、概算見積を依頼された側としては、情報が少ないため新しい施策や企画を提案しにくいので、依頼した側としても新しい可能性が広がりません。
その点、RFIなら他社の事例・類似の事例から、かかる費用ついての目処をつけたり、自社にも取り入れることのできる手法や施策を発見することにもつながります。
RFIに書くべき内容
さて、そんな便利なRFIなら早速やってみよう、とした時に一体何を書けばよいのでしょう?
目的に合ったソリューションと事例の情報が欲しいのだから、
・プロジェクトの概要
・目的
・背景
・課題
という前提で、類似事例(費用、スケジュール、解決した課題 etc.)の提供をお願いすればよさそうなものですが、ここでの依頼内容が漠としたものだと、なかなかいい情報が集まりません。
ちょっとした、コツがあるのです。
それは、
「目的を出来る限りはっきりさせる」
ということです。
Webでもシステムでも、個別要件ごとに違ったものを作る世界では、プロジェクトの本当の王様は「目的」といっても過言ではありません。
「なんのために?」
がはっきり伝われば、ベンダー側、制作会社側の経験値でコレクト!なものが提供される確率が高まります。
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おまけ
提供された情報を元に、RFP(Request For Prpsal)を作って、オリエンをすれば集まる提案のレベルも高くなっていくことでしょう。
当社では、「RFPを作りたいから手伝ってほしい」とか「オリエンシートのテンプレないですか?」と言われることもよくあるので、こんな資料を用意しています。