HCD(人間中心設計)とは
私たちがWebを使ったコミュニケーションを設計するときは、HCDのプロセスを重視しています。HCDとはHuman Centered Designの頭文字をとったもので、ISO 9241-210:2010として国際標準化機構がインタラクティブシステムの設計に関する規格として2010年に制定したものです。(1999年のISO 13407を改訂したものです)
日本ではJIS Z 8530:2019 「人間工学–インタラクティブシステムの人間中心設計」として2019年に規格化されています。
下の図はHCDプロセスのサイクル図として有名ですが、この規格によれば人間中心設計活動の相互依存性の図であって、PDCAサイクルのようなものではありません。
(JIS Z 8530:2019の図1より)
作って終わりではなく繰り返すこと
HCDサイクルの図では最初に「HCDプロセスの計画」がありますが、計画から始めるべきではありません。むしろ、プロトタイプを評価する段階ぐらいまで進んだら、あらためて計画を考えてみるぐらいでもよいのです。
プロトタイプが一定の要求水準を満たすようになったら、実制作に入っている間に計画を立ててみましょう。
- 出来上がったWebサイトによるコミュニケーションの目的を明文化する
- 目的を達成(Goal)するために必要な要素を洗い出す
- その要素(新規ユーザーの来訪数やPV数、あるいは問い合わせや資料請求の数)をKPIとして設定する
- 計測と評価の方法を決める
- 結果に対して評価し、改善するための手順を決める
こうすれば「作り手目線」で作られた一方通行のWebページではなく、ユーザーの作り手の間で「使われる」Webサイトが出来上がっていきます。
ペルソナを作る工程やプロトタイプのテストを行う工程が増えるイメージがあるかもしれませんが、根拠のない状態で主観的にコンテンツを作り込んで行ったり、実装した後に大幅な修正を加えるよりはるかにスムーズかつ効果的です。