「決め方」の決め方〜会議でも役立つ合意形成の2つのポイント(2/3)
「案の出し方」は二種類
案の出し方について、実は
- 「疑問を提出する」
- 「決議案を出す」
という二種類しかありません。
「疑問を提出する」場合
問題となる点の指摘のみ行い、それを考慮すべきなのか、考慮するとしてどう解決するかの議論を皆に委ねる形です。大抵の場合、こちらの形で案が出てくるほうが多いのではないでしょうか。
メリットとしては案を出しやすいこと、検討に頭数が割けるため良い解決策に結びつきやすいこと、派生した問題を多角的に議論しやすいことなどがあげられます。
一方、デメリットとしてはあまりにも簡単に案が出やすく、またタイミングによってその素朴なギモンが致命傷である場合も多いため、「わかってて目をつぶる」場面が多くなりがちです。
また、案は出るけど解決策が出てこない場合、どうにもならない状態に陥るかもしれません。
「決議案を出す」場合
問題点の指摘と解決策の提案を一緒になって出すものです。あとはやるかやらないかだけ議論すれば良いということになります。
メリットは議論の効率が断然良いこと、あらかじめ網羅的に考慮がなされているので、検討しやすいことがあります。
他方、デメリットとしては提案するプロセスが大変なので、活発な議論になりずらいところがあります。結果として表層を撫でるだけで終わってしまい、致命傷が放置される場合が多いでしょう。
どちらも一長一短ではありますが、迷うぐらいなら「疑問を提出する」仕組みにすることをおすすめします。
「誰が決めるのか」のタイプ分け(民主的な)
さて、提案と討論のプロセスは決まったら、あとは誰がどうやって決めるかです。こちらについては、何種類かが考えられます。
陶片追放タイプ
議題ごと、全メンバーによる投票を行い、多数決原理による結果に全員が従う形です。
メンバー全員の共通知識が土台となるため、リスク回避のバイアスがかかりやすく、思わぬ結果になることは少ないのではないでしょうか。予想外の結果なら逆に驚くわけですが。問題は付和雷同が起こりやすいことです。
元老院タイプ
二人以上のコアメンバーがアリ/なしを決定し、他のメンバーはその決定に従う形です。
得意な分野が重ならないコアメンバーが複数いる場合、この決め方が望ましいでしょう。その場合、人数を奇数にしておくことをおすすめします。偶数の場合、激論の末空中分解したりするので、いざという時に「数の論理」で仕切れるようにしておくと、決めやすくなります。
議会タイプ
元老院タイプの亜種ですが、コアメンバーがアリ/ナシについて説明可能な決定を行う努力をしますが、あらかじめ決めておいた時間を越えそうな場合、多数決で決める形です。
元老院タイプだと果てしなく時間がかかる場合があるのですが、議会タイプなら時間の上限を見積もりやすくなります。一方で、手を抜くと全部多数決でほいほい決めてくことになり、いい加減になりがちです。このあたりはコアメンバーが自分たち自身をどれだけ律することができるかがカギになるでしょう。