「ユーザー視点」で考える適切なリダイレクト(転送)の処理(3/3)
「リダイレクト」ついてのよくある間違いと事故
「転送すれば問題解決」とばかりに安易なリダイレクト設定によりトラブルになるケースもあります。以下に代表的な「間違い」をまとめました。
間違い・事故 | なぜ良くないのか? |
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代表的なページだけリダイレクト設定 | Googleの評価は引き継げない&不体裁(リンク切れが見つかった時点で、Googleにもユーザーにも「閉店」扱いをうけてしまいます) |
面倒なページはTOPへリダイレクト | 検索エンジンには「元のページがTOPページ相当」と解釈され、元のページを知るユーザーには期待と異なるページに誘導されることになり、離脱要因を特定できない結果に。ユーザーは振り出しに戻されるのでかなり不親切です。 |
301すべきところを302やmeta refresh | 恒久的な転送なら「301」(Moved Permanently)とすべき。「302」(Found)は一時的な転送に使用するステータスです。 一方、meta タグによる refresh は特別な事情(フォームの完了画面の転送処理など)がない限り使用するべきではありません。 |
管理不足でループ | 設定の管理が不十分だと、AからBへ、BからCへ、CからAへといったループの設定をしてしまう場合があります。古いサーバーでは暴走を呼ぶ事故になります。最近のブラウザではループを検出すると、転送処理が止まります。 |
リダイレクト設定をしたら、転送元のドメインやサーバーを不要だと勘違い | せっかく正しく転送設定していてもドメインを手放してしまったら意味がなくてなってしまいます。同様に転送を行なっているサーバー自体を止めてしまったら当然リダイレクトはされません。 |
運用の歴史が長いドメインでは、転送リストも長大になることがあります。管理が煩雑にならないためにも、大量のリダイレクトが発生する変更は計画段階で慎重に検討したほうがよいでしょう。
「SEO」でも「Google」でもなく、見るべき相手は「ユーザー」
新しいページでも「検索順位」を維持し、多くのアクセスを集めたい気持ちはよく理解できますが、アクセスを集めたいページに向けてなんでもかんでもリダイレクト設定するのは考えものです。
検索エンジンの先には一人の「ユーザー」がいるので、何はともあれそのユーザーに対して誤解を与えたり失礼な振る舞いにならないようにすることが基本中の基本です。
リダイレクトの手間を惜しんで、検索エンジンをはじめ外部からアクセスしてくるユーザーばかりか、長年にわたって積み重ねた「信用」を失ってしまわぬよう、優先度の高いタスクとして意識するとよいでしょう。