2015年03月30日カテゴリ:Webマーケティング

セールスしないWebサイト、顧客を作るWebサイト(前編)

セールスしないWebサイト、顧客を作るWebサイト(前編)
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セールス型のコミュニケーションや表現はスルーされている

コンシューマ市場に限らず、ビジネスシーンにおいてもWebコミュニケーションの重要度は増しています。
一次的に問題解決をさぐる手段としては、コスト面でも時間の面でも他のソリューションを凌駕しているため、特に検索エンジン経由のコミュニケーションは重要視されています。

このトラフィックを捕まえて、自社にとって有益なコミュニケーションを展開しようと考えるのは自然なことですが、そこで宣伝的表現・セールス型のコミュニケーションをしてしまうと、忙しいユーザーにはスルーされてしまいます。

無料でアクセスできる情報であり、リアルタイムで相手(の会社の人)が対応するわけではない(気を使う必要はない)ので、送り手側の意図に沿ってじっくりと読もうとするユーザーはとても少ないのです。
これは今に始まった話ではなく、このWebのユーザーの特性はインターネットの黎明期からあまり変わっていないかもしれません。
(1997年の記事:ニールセン博士の「ユーザーはWebをどう読んでいるか」

自分自身が一消費者として、あるいはビジネスシーンで何かのソリューションを探している場合を想像してみるとよくわかります。

たとえば、組織改編によってオフィスの移転やレイアウト変更があるときに、引っ越し手配や什器の購入・廃棄などの業務が発生します。
そこで機密書類の廃棄を担当する人が「書類 廃棄 費用」と検索する場合、そのユーザーが知りたいことが、

 1.費用感と処理量
 2.スケジュールや段取り
 3.信頼性

だとします。
しかし、たどり着いたサイトでは、定期的な機密書類処分のサービス説明が展開されていて、上記の3.に関する情報は十分なものの、なかなか求める情報=「引越しにともなう一回性の書類廃棄」にたどり着くことができないというケースがよくあります。

このユーザーは、新たに「書類 廃棄 費用 引っ越し」と再検索するためにサイトを離れてしまうこともあるのです。

ユーザーが求める情報の例(BtoCの場合)

BtoCのビジネスにおいては、ユーザーは商品の評判や実際のところの使い勝手など、購入・導入に値するかどうかという情報を求めて企業のサイトを訪れるより、比較サイトや通販サイトに訪ねて売り手ではない第三者の評価を求めて行動します。
その上で、メーカー・ベンダーサイトを訪れ、公式の情報を確認するというパターンがあります。

例えば、静音式の扇風機が欲しくてネットで情報を探しているシーンを想像してください。

価格比較のサイトで、売れ筋ランキングにアクセスし、その中でもリーズナブル(ここでは、単にスペックの割に安いという意味)なものを発見したとします。
ただし、「安物買いの銭失い」を避けるために、なんで安いのか?という根拠を集め始めます。

ここで、メーカーサイトの役割がやってくるのです。

実態としては、その商品はメーカーにとって売れ筋商品(一押しラインナップ)ではなく、昨シーズンの型落ち品だったとします。

もし、このメーカーサイトが最新機種のアピールを重視し強調するためにその旧機種の情報を削除していると、ユーザーは「正規品なのか?」という疑いをもってサイトを離れていきます。

「型落ち品」であることを直接的には表現できませんが、製品ラインナップが年代別に整理されていたりすれば、ユーザーは「型落ち品=安い」という根拠を抽出することができます。
つまり、ユーザーにとって有効なのはセールスポイントよりも、その製品がいつ発売されたものか?というファクトなのです。

ユーザーが求める情報の例(BtoBの場合)

BtoBのビジネスの場合は、第三者的に比較・評価するサイトが存在しない場合も多く、広告や検索結果経由で、予備情報が少ない状態でアクセスしてくる傾向があります。

そのため、メーカーやベンダーのサイト内でできる限り情報収集しようとするため、一見、USPの訴求が伝わりやすそうに思えるのですが、先の例の通り、宣伝的表現はスルーされてしまう傾向があります。

そこで、できる限り客観的な視点で、事実を簡潔・要約的に表現していくことが重要になります。

コンテンツの例としては、

  • ユーザーベネフィット訴求
  • ケーススタディ、ストーリー
  • ユーザーインタビュー
  • 他社比較や選ばれる理由
  • コストパフォーマンス比較
  • 導入効果のレポート
  • 統計、調査レポート
  • ダウンロード資料
  • 価格情報

といった情報が事実として表現されていれば、多くのユーザーのニーズをカバーすることができます。

しかしながら、ただ単にユーザーのニーズをカバーすれば、顧客が作れるのか?というと、それほど簡単なことでもなく、もう一工夫必要になります。
後編では、そのあたりの仕掛けについて解説します。

後編へ続く

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