先達はあらまほしき事なり:企業のWebサイトリニューアルに必要なもの(3/3)
プロジェクト・マネジメントの特徴
昼食を取ることを考えてください。「何を食べたいか」は自分が決めなければなりません。一方で、その食べたいものに何処へ行けば幾らで食べられるのかについては、サイトやガイドなどを調べることで情報を入手でき、判断できます。
これと同じことがプロジェクトにも言えます。
最終的に「目的(=何を大事にしたいのか)」については、どうしても社内でまとめなければなりません。これは何処の誰が実施するプロジェクトであっても同様の、まさに“鉄則”です。
プロジェクトは経験がなく複雑なものなのですから、やったことがない人の手に負えるものではありません。一方で、全てを発注先に任せてうまくいくと思うのは、「私はお昼ごはんに何が食べたいのでしょう?」と周りに聞いて回ってるようなものです。一人ではできませんが、放りっぱなしでできるものでもありません。
How To “プロジェクト・マネジメント”?
でも、それをどうやって実現して、他の要求事項や予算・スケジュールといった制限事項とどうバランスを取るかについて、社内でどう進めればいいのか悩む必要はありません。登山における登山ガイド、知らない町におけるレストランガイドと同様に、その道の専門家に相談すればよいのです。
どういったところに袋小路や落とし穴、起こりがちな問題があるかについては、その専門家が把握してますから、「いやそっちは危ないです。こうしたらどうでしょう」などのアドバイスを貰えるはずです。
プロジェクト・マネジメントに要求されるギリギリの判断
ときどき、プロジェクト・マネジメントをスケジュール管理やタスク管理だけと勘違いされている場合があります。しかし、プロジェクト・マネジメントは、スケジュールだけ見ていればいいわけではありません。
アポロ11号は月面着陸の直前まで、自動操縦で降下していました。ところが予定地点に大きな岩があったため、アームストロング船長はとっさの判断でマニュアル操縦に切り替えます。そうして着陸しようとした直前、直下にクレーターがあることに気づいて回避、燃料ぎれまであと25秒という状態で、無事月面に着陸しました。
1961年5月にスタートしたプロジェクトが、1969年7月20日に完成した瞬間です。
もし、燃料だけ、あるいは月面の状態だけのどちらかに気をとられていたら残念な結果になっていたことでしょう。
プロジェクトマネジメントには、それくらい土俵際の攻防・調整が重要なのです。