メンテナンス中どうしますか?
以上で最低でも6台、CMSによっては8台必要ということがわかるかと思います。あとはサイトの性格にもよるのですが、BtoCなどのサービスを行う場合はメンテナンス中にその旨を連絡する必要が出てくるでしょう。その「メンテナンス中」コンテンツをどうやって表示させるかは考えておく必要があります。
メンテナンスの種類にもよりますが、マシンのOSアップデートとかを考えると、そのWebサーバ自体が使えないことも想定しておく必要があるでしょう。そして、こちらは時限的とはいえ公開サーバなのですから、やはり論理サーバが4台必要です。つまり、合計10台もしくは12台。
Apexはきちんと扱えますか?
残念ながら大抵は大丈夫なのですが、もしかするとサイトの人気が出て、アクセスが集中するかもしれません。そんな場合に対処できるように、予めロードバランサを用意しておくのは良い心がけです。ロードバランサは借り先によって仕様が異なりますが、障害対策としてIPアドレスが固定されていない場合があります。
wwwありのホスト名については、このロードバランサのホスト名をCNAMEレコード(DNSにおいて、別名を意味します)に当てておけばよいのですが、wwwなしのドメイン名そのもの(これを頂点レコード、Apex recordと呼びます。先程の例なら example.org がApexです)については、CNAMEを使うことはできません。これは、
CNAMEレコードと同じ値を持つ別のレコードは存在してはいけない(ただしdnssec関連を除く)
というDNSの仕様からくる制限なので、回避は不可能です。なぜなら、Apexに対して少なくともNSレコードとSOAレコードを設定する必要があるため、CNAMEを当ててしまうと、ドメイン自体が存在できなくなるからです。
DNS側で対応できない場合、Apexの宛先に対して別契約を用意し、wwwありの方をロードバランサに振り分ける、というように構成します。この結果 Apex を正式URLとすることはできなくなりますし、Apex側はロードバランサを入れられないわけですが、まあ転送するだけなので大丈夫じゃない?、というわけです。