経営層がおさえておきたいWebサイト運営のポイント(2)会社の信頼性 編
(「ステークホルダーの視点」編から続き)
Webサイトの信頼性を担保する
経営陣にとって頭の痛いリスクマネージメントの問題、もちろんWebサイトもその対象であることに変わりはありません。
Webサイトにおける技術的な脅威はウィルスをはじめとして枚挙にいとまはありません。
また、SNSや口コミサイトにおける炎上騒ぎもリスクとして勘案しておく必要があるでしょう。
個々の事案については適切に処理・対応する他ないのですが、Webサイトにおけるリスクマネージメントの基本は、ユーザーに対して運営企業(団体)の実在性や情報の正確性について担保することでしょう。
会社概要をはじめとした企業情報が正しい事実に基づいて記載されている、サイトポリシーやプライバシーポリシーといったコンテンツが用意されており、かつSSL(暗号化通信)などによってユーザーは適切に保護されている、といった基本的な対策はECサイトやプロモーションサイトにおいても重要です。
例えばサービスサイトから運営元の企業情報へ遷移した際、きちんとしたコーポレートサイトがあり、かつ正しい情報が掲載されていることでサービスサイトの信頼性を後押しすることができるのです。
見過ごされているドメインの価値
ところで、SEO対策において継続して使用している年数が長いドメイン(〜co.jpなど)が評価されることをご存知でしょうか。
これは言い換えると、Googleも同じドメインを継続して使用している、すなわち継続的にサイトを運営し続けていることに対して一定の評価を与えているということになります。
ドメインの価値というものをGoogleが認めているということですね。
さらにドメインの価値を高める施策として、EV SSLの導入があります。
これはSSL(暗号化通信)に加えて、第三者(認証局)によって、登記簿の確認をはじめいくつかの実在性確認の手続きが行われた上で発行される証明書です。
常時SSL化*したサイトを評価するとGoogleが表明したこともあり、SEOの効果を期待して導入する企業も増えてきましたが、企業としての実在性を証明できることが本質的な価値と言えます。
通常のSSLより値が張るのは確かですが、企業としてインターネット上に登記する費用のようなものと思えばそれほど高いものではありませんし、長い目で見ればメリットの方が大きいのは間違いありません。
*常時SSL化:問い合わせフォームなど機密情報や個人情報の送受信が行われるコンテンツだけでなく、Webサイト全体をSSLによる通信(https://〜)とする施策。
経営視点がWebサイトへ新たな価値を与える
これらの施策はいずれも飛躍的にWebサイトの価値や収益性を高めるものではありません。
しかしながら、クオリティや安心感といった点で地味ながらサイト全体の価値を底上げすることに寄与します。
例えば営業マンの言葉遣いや店舗の手入れ具合といった細部に、会社の評判が左右されることは経営に携わってる方であれば身にしみて感じているかと思います。
「身だしなみ」や「おもてなし」といっては語弊があるかもしれませんが、Webサイトにおいてもユーザーエクスペリエンスが行き届いていたり、適切なリスクマネージメントがなされているということが会社のイメージや評価につながることは間違いありません。
経営視点からの知見や見識が、Webサイトに新たな価値を与えることになるでしょう。