リニューアルの背景が曖昧な時、相応しいイシューを探すためのヒント
いよいよ予算獲得に向けた動きが活発となる季節。
「来期こそリニューアルに向けて予算を確保したい」と考えている方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
ところで、リニューアルの背景や課題の整理はできていますか?
「古い」「デザインがダサい」といった理由だけでは曖昧すぎて上司や経営層の理解を得ることも難しいでしょう。
コンペや付き合いのある業者にオリエンを依頼する際にも、もう少し明確な根拠があったほうがより実現性の高い提案を受けることができると思います。
そして理由や背景が曖昧なまま実施してしまったリニューアルの結果がどうなるかは、過去の記事でも取り上げた通りです。
リニューアルプロジェクトの失敗事例に学ぶ、目的を見誤らないためのヒント
そのためにも、このタイミングでリニューアルに至る背景を深掘りして検討しておく必要があるのです。
今回は予算確保に向けた折衝やオリエン前に、リニューアルするにふさわしい背景や課題の見つけ方について考えてみます。
Webサイト本来の目的とユーザー目線を基準に深堀りして考える
長らくリニューアルを実施しておらず、見た目にも明らかに一世代前と感じるようなサイトのケースで考えてみます。
直感的には「そろそろリニューアルしないとね」と誰もが感じているようなサイトでも、いざそれらしい背景や理由を考えようとすると案外難しいものです。
古いなりに最低限の機能を有していたり、明らかな不具合が発生していないために「ここを直さないと」という具体的な事象が提示しにくいといった事情もあります。
このような場合も基準となるのは、やはりWebサイト運営の目的とユーザー目線です。
長らくリニューアルしていないことでWebサイト運営の目的を損ねていないか、ユーザーが不利益を被っていないかを深堀りして考えてみることをおすすめします。
例えば古臭さを感じさせるデザインが企業・ブランドイメージを損ねている可能性があるかもしれません。
BtoB企業であればそれほどトレンドを意識する必要もありませんが、何年も同じデザインのままですと新鮮さや更新性に乏しいですし、流行遅れなデザインもポジティブな印象を与えることはないでしょう。
使い勝手やユーザビリティといった点もユーザーの印象を左右する要素の一つです。
特に問い合わせなどのフォームはユーザーにとってストレスを感じやすい機能で、使い勝手の良し悪しがサイトの印象に直結します。
ここでは挙げきれませんが、考えられる背景や課題はいくつもあります。
- コンテンツが古いままになっていてアップデートされていない
- セキュリティ対策が正しく講じられていない
- 特定のステークホルダーだけにコミュニケートが偏っている… etc
直感の背景には記憶や経験があると言われており、いわゆる「勘」とは異なる認知です。
根気よくその理由を探っていくことで「リニューアルしなければ」と考えるに値する背景や課題まで至ることができるはずです。
リニューアルすることをそのものを目的化しない
そうはいっても考えに煮詰まったりあらぬ方向へ発想が向かってしまったり、なかなか前に進んでいないように思えることもあり、決して楽な作業ではありません。
制作会社やコンサル会社の中には調査・診断サービスを提供しているところがあり、そういったサービスを使って改善すべきポイントを調べてもよいでしょう。
サービスメニューとして謳っていなくても、相談すれば対応してくれる制作会社もあると思います。
専門家のいわば「お墨付き」を得ることで上司や決裁者の信頼も得やすい、という利点もあります。
いずれにせよ大切なことは「リニューアルすることそのものを目的化しない」ことです。
リニューアル自体はWebサイトを改善する手段にすぎません。
そしてリニューアルではない解決法も現段階で排除すべきではありません。
リニューアルに値するだけの理由や背景(=イシュー)が見つかった時、初めてプロジェクトがスタートするのです。
弊社でも「基礎調査」としてリニューアル前の調査・診断を承っています。
まずはお気軽にご相談ください。