「ムスロ丼」とカスタマージャーニーマップ(1/3)
検索ユーザーの珍道中
調べたいものは明確で検索したいのに「『名前』が分からない」場合、本当に知りたい情報にたどり着くまでには結構な長旅になることがあります。
事実上、どんな場合でも、ウェブサイトは「セルフサービス」製品だ。
という、JJギャレットの言葉を忘れないようにしなくてはいけません。
この言葉は以前に次の記事でもを紹介しましたので、ご参照ください。
五反田の町中華「大連」の「ムスロ丼」
ユーザーの行動パターンをリアルに思い描いていただくために一つの例をご説明します。
みなさんは「ムスロ丼」という中華料理をご存知でしょうか?
卵とキクラゲと豚肉を炒めた餡のようなものが、どんぶりご飯にかかった、シンプルだけど味わい深い一品です。
美味しいんですけど、マイナーです。
当社の近くにあった町の中華料理屋「大連」のメニューで、以前にテレビ番組で取り上げられたことがあるので、ひょっとするとご存知の方もいるかもしれません。(フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」のコーナー「きたなシュラン&きたなトラン」で、あの長澤まさみさんが訪れました!)
中華丼とか麻婆丼とか天津飯にくらべると、かなりの隠れキャラです。
お店でタッチパネルや写真メニューがあるならそこから選べばよいのですが、「隠れキャラ」ですからたいてい見つかりません。そうなると店員さんに注文しなくてはいけないのですが、
お客「中華丼では無いんですけど、あんかけっぽいやつで…」
店員「天津飯ですか?卵で包んだご飯に餡が」
お客「あ、それではなくて」
店員「回鍋肉(ホイコーロ)丼ですか?キャベツ・豚肉・ニンニクの味噌味…」
お客「いや、野菜感はなかったです」
店員「なるほど。じゃあキクラゲ入ってます?」
お客「入ってた…と思います」
店員「もしかしてキクラゲと卵とお肉ですかね?」
お客「あー…そんな感じです」
店員「でタケノコも?」
お客「はいはい!多分それです」
店員「お客さん、それ、ムシューロ(木須肉※)ですね」
という感じで、絞り込み検索を手伝ってもらえます。が、検索エンジンはサジェストの機能があるとはいえ、こういうことは苦手です。
(※発音は「ムーシューロウ」が近いようです)
ためしに検索してみましょう。