2017年05月17日カテゴリ:Webデザイン

【おすすめ書籍】『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」』(3/3)

【おすすめ書籍】『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」』

抽象から具現へ、コンセプトから完成へ

表層については具体的な要素解説の前に、章の冒頭で「表層の定義」についての記述があります。
その中からブランドアイデンティティとの関係に触れている一説をご紹介します。

ブランドアイデンティティを伝える上で、主要な道具となるのがビジュアルデザインだ。もしあなたのサイトが「テクニカルで権威がある」というアイデンティティを伝えたいのなら、マンガ文字をつかったり、明るいパステルカラーを使うのはおそらく間違っている。これは美的な問題だけでなく、戦略の問題なのだ。

(本書P.157より)

最下層の戦略から脈々とつながってビジュアルデザインへと至る構造を持つユーザーエクスペリエンスに対して、抽象的な概念から具体的な完成形へと時系列に進めるプロセスは非常に理にかなっていることです。

問題点を見つけるのは容易、しかし原因は簡単にはわからない

ユーザーのリテラシーが大幅に向上した現在、Webサイトのユーザビリティは、実際に使ってみればたいていの問題点を見つけることができます。

しかしながらその直接的な原因に対処をしても、根本的な原因の層にアプローチしない限り恒久的には解決できないものです。

本書ではWebのユーザー体験について、15年も前にそのことを見透かしたかのような構造論を展開している点で先進的だったと思います。

一方、この構造の本質は様々な人間の社会活動に潜む古典的な階層構造なのかもしれません。

※「デザインフェーズで浮かび上がる「デザイン以外」の問題点について」という記事の中でも本書(図版)について触れています。

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