自社Webサイトの事業貢献度を7つの軸で評価する方法
前回の記事では、Webサイトのリニューアルの目的を明確にするために、サイトのユーザーをカテゴリに分けて考えてみましょう、という話でした。
考え方としてはよく似た構造ですが、Webサイトの事業貢献度について評価する軸を考えてみました。
以下の7つの設問に評点を加えていくと、35点満点で貢献度を採点できます。
設問1.「Webサイトを通じた、営業機会・新規顧客の獲得は期待どおりですか?」
期待通りであれば、
・既存顧客に対して、Webサイトのコンテンツがきっかけとなって営業機会を獲得できている
・新規顧客からの問い合わせがWebサイトのコンタクトフォーム経由で獲得できている
というような状態が想定されます。
5点満点とすると、たとえば以下のような基準で評価できます。
5点:既存顧客も、新規顧客も十分にWebコンテンツが効果を発揮している
4点:新規もしくは既存顧客の一部にはWebコンテンツが効果を発揮している
3点:ある程度の効果は見えているが、量として十分ではない
2点:効果は限定的で、発信すべき情報が満たされていない
1点:情報の鮮度が悪く、一部では誤解を招くこともある
同じ要領で、以下の6つの設問ごとに採点をしてみてください。
設問2.「Webサイトを通じた、取引先との関係構築は期待どおりですか?」
5点:取引先との信頼関係構築に、Webコンテンツが効果を発揮している
4点:新規の取引先からのアプローチを受け付けることができている
3点:有効なアプローチもあるが、不要なアプローチも多い
2点:有効なアプローチを受けられていない
1点:スパムメールや迷惑な営業電話のきっかけを作ってしまっている
設問3.「Webサイトを通じた、採用活動への貢献は期待通りですか?」
5点:自社サイトだけで十分な採用成果を上げている
4点:採用媒体と合わせて、Webコンテンツが効果を発揮している
3点:採用媒体をメインとして、補足的に自社サイトのコンテンツが寄与している
2点:自社サイトの効果は限定的
1点:採用媒体の内容と自社サイト内容がかけ離れている
設問4.「Webサイトを通じた、広報・IR活動の成果は期待どおりですか?」
5点:Webサイトに掲載したリリースがメディアに多く掲載されている
4点:メディアにも投資家にも十分な情報量を開示できている
3点:リリースやIR情報は掲出しているがメディアに取り上げられるほどではない
2点:リリースを掲載しているが、頻度が少ない
1点:広報すべきニュースが無い(と考えられている)
設問5.「Webサイトのイメージは、社風・方針とマッチしていますか?」
5点:WebサイトのデザインやコンテンツはCIを体現していて、従業員のモチベーションUPにつながっている
4点:顧客や取引先へWebサイトを通じて与える印象がCIの狙いとリンクしている
3点:CIを説明するコンテンツがあるが、どのように受け取られているか未知数
2点:CIに関するコンテンツが無い
1点:CIコンテンツがあるが、実態とかけ離れている
設問6.「リリースの配信やコンテンツの更新などの業務が、事業方針・営業戦略に即してタイムリーにサイト運営できていますか?」
5点:計画的かつ即時対応の求められるものはスピーディーに情報更新に対応できている
4点:タイムリーな更新はできているが、計画的ではない
3点:コンテンツによって情報更新の頻度、情報の鮮度にばらつきがある
2点:リリースが適切なタイミングで配信できていない
1点:事業方針や営業戦略とWebサイトが関係していない
設問7.「Webサイトについて、社内での関心度はどのような状況ですか?」
5点:更新依頼やコンテンツ追加の要望が多く、期待度が高い
4点:部門によって偏りがあるが、関心が高い部門では十分に活用している
3点:本社部門の主導で委員会方式で運営している
2点:少数の担当者がリクエストに応じて都度対応している
1点:1名もしくは兼務の担当者がギリギリの対応をしている
いかがでしょう?
この評価で弱点が見えてきたら、補強・改善すべきポイントも見えやすくなるのではないかと思います。
合計点が30点以上なら、さまざまなステークホルダーとWebサイトを通じて有効なコミュニケーションができていて、事業貢献度は高いということだと思います。
20点~29点ぐらいの範囲だと、部分的に苦手なところや穴があるのかもしれません。改善や戦略の見直しが必要かもしれません。
19点以下だと、Webサイトの事業貢献度は低いということになりますが、悲観的に考えるのではなくむしろ「伸びしろ=ポテンシャル」があるということだと思います。
ポジティブに考えて、リニューアルや戦略的な改善の積み重ねで使えるWebサイトに変えていくことをおすすめします。