そのリニューアルの対象は本当に正しい?見過ごされがちなユーザー体験と業務プロセス(1/3)
十人十色のリニューアル
コーポレートサイトのリニューアルプロジェクト、というとこの記事をお読みの方は全体のイメージがある程度想像できていると思います。
しかし、実際には10人いたら10通りの内容が思い描かれています。
企業の組織は様々なセクションに分かれていて、それぞれ細分化されたミッションで構成されています。
Webサイトも組織同様に、それぞれ目的を持ったコンテンツとナビゲーションなど機能の集合体として構成されており、作り方にも様々なバリエーションがあります。
当然、立場によって見え方もさまざまで統一したイメージを持つことは簡単ではありません。
リニューアルの対象が漠然とした状態で、「プロジェクトの目的は?」「リニューアル後のあるべき姿は?」など問い詰めても、正しい定義はできません。
抽象的なスローガンやお題目に落ち着いたり、声の大きい人の意見が重視されて本来のゴールとはかけ離れた方向に進んでしまうことも少なくありません。
今回は目的の議論と前後して、あるいは並行して考えるべき「リニューアルの対象」について、解説したいと思います。
※Webサイトのリニューアルの目的については、ステークホルダー別の考え方をこちらの記事
でご紹介しています。
業務プロセスを対象物(オブジェクト)としてとらえる
企業のWebサイトはどんなコンテンツでも、段階的な承認プロセスが必要となります。
問題のあるコンテンツが公開されているとすると、公開までのプロセス自体も問題と考えられます。
誤字・脱字であれば校閲の体制に問題があるかもしれませんし、内容に関するものであれば企画の段階まで遡って問題を追求する必要があるかもしれません。
原因が業務プロセスにある場合、いくらコンテンツを直しても同じ過ちや事象は繰り返し発生します。
業務プロセスそのものをリニューアルの対象物(=オブジェクト)として捉える必要があるのです。