会社名とドメイン名:アイデンティティとプレゼンス〜名前の大切さ(2/3)
名前に正式「らしさ」は重要
とある運送会社のフィッシングサイトが問題になってますが、社名や商品名とURLが一瞥して関係を想像できない場合、想像しやすいURLの方が本物として捉えられてしまう危険性があります。
例えば、アップルジャパン(Apple Japan合同会社)の正式URLは https://www.apple.com/jp/ ですが、 https://www.apple.co.jp にアクセスしても、com/jp へ転送されるように運用されています。ここでもし apple.co.jp を同社が保有してなかったらどうなるでしょうか?事情を知らないユーザーにとっては、apple.co.jp が正式などメインだと勘違いしてしまうでしょう。同社はそれを防ぐために、apple.co.jp の転送を継続しているのだと思います。
事情を知らないユーザーに取っては、それらしいドメイン名を提示されると「あ、新しいサービスが始まったのか」ぐらいに受け取って、踏んでしまうことはよくあることです。結果としてフィッシングサイトに誘導されても、そもそも本物がどれだかわからないのですから、被害を受けていることすら把握していないかもしれません。
というわけで、正式っぽい名前は大変重要ですし、ドメインの基幹名をもつTLD(Top Level Domain:ドメイン階層構造の最上位)違いのドメインは可能な限り確保しておいたほうが良いです。
でも、社名とブランド名が乖離してるんだけど?
歴史のある企業の場合、企業名・製品名・ブランド名のそれぞれがプレゼンスを持っている場合が多々あります。そのような状況で、ドメインを無理やり集約することは百害あって一利なし。無理やり統合するよりも、そもそもサイトを分散させることが得策です。
企業名については、「(企業名をアルファベット化したもの)+.co.jp」が上策です。その際、定款記載の英語名称と等しく、かつ日本語からのアルファベット化が無理ないものであるとさらに良いでしょう。英語名称との関連性はEV SSL取得時に要求されますので注意が必要です。
一方、製品名やブランド名については、製品サイトやブランドサイトを作ってしまえば問題ありません。せっかく流布しているブランド名を無理やり企業名ドメインの下に持ってくるより、有名な名前をアクセスしやすくするほうが得策です。